壮絶!友人の肉を食べて72日間生き伸びた遭難者たち、23日が生還記念日!
1972年10月にラグビーチームの若者たちを乗せて飛び立った飛行機が、記録的な大雪に見舞われたアンデス山脈に墜落し、その72日後に奇跡の生還を果たした生還記念日が今日、12月23日になる。
救出された直後、屈強なラガーマンといえど、食糧が何もない雪山で72日間も生き延びることができたことに、誰もが疑問を持っていた。彼等も当初は途惑いながらも実は、次々と亡くなっていった友人たちの遺体の肉を生きるために食べたことを世間に公表していた。しかし、遺族の気持ちを考えてもそれ以上の多くを語ることはできず、35年の時を経てやっと映画『アライブ ‐生還者‐』にて当時の心境、そして今生きていることへの感謝を語っている。
この事件は1993年にイーサン・ホーク主演の『生きてこそ』で映画化され、またP.P.リード著作の「生存者」でも当時のすさまじいまでのサバイバル劇が明らかにされていた。
しかし今回公開される『アライブ ‐生還者‐』は、生還した本人たちがインタビューに答えているところに、いままで明かされていなかった真実や、生きることへの本能のようなものがリアリティーを持って感じとれる。時々、雪山を見つめて何かを思い、おし黙る今は年老いた当事者たちの底知れぬ思いが伝わってくる。
本作はアムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭のグランプリを受賞したほか、サンダンス映画祭をはじめ30以上の国際映画祭に招待され、ドキュメンタリーの各賞を受賞している作品としても優れた映画だ。今年の東京国際映画祭にも招待され、生存者の一人で、今は建築家となって活躍しているエドゥアルド・ストラウチ氏が来日し映画のティーチインに参加している。
人肉を食べてまで生き残った……自分だったら……と物議を醸しそうなテーマではあるが、人間の命の重さ、そして生存本能について考えを改めさせられることは間違いない貴重な作品だ。
映画『アライブ ‐生還者‐』は2009年、春公開