全米俳優ストライキの可能性、アカデミー賞への影響は?
全米俳優組合(SAG)がストライキの決行か否かを決めるにあたって組合員に投票を募る日を1月2日すると発表した。
投票にあたっては、約12万人の組合員の内、投票時に組合費をきちんと納付している者のみに参選権が与えられ、1月2日に投票用紙が参選権のある組合員たちに送られる。集められた票は、1月23日にワシントン州エヴァレット市にある民間会社でまとめて集計され結果が出される。
この投票課程は、ストライキ決行に限りなく近い状態であり、もし組合員全体の75%が賛成すればスト決行へのGoサインが出たことになる。SAGと全米プロデューサー協会(AMPTP)の契約論争がここまで長引き激化することを誰が予測したであろうか。
アカデミー賞にノミネートされる俳優たちのほとんどがSAGのメンバーであることを考えると、ストライキが決行されることになった場合、受賞候補の俳優たちが2月22日のアカデミー賞授賞式参加を全面ボイコットする、という最悪のパターンも考えられる。
投票期間から割り出すと、受賞式シーズンの皮切りとなりアカデミー賞への橋渡しにもなると言われているゴールデン・グローブ賞受賞式への影響はまずない。だが、肝心のアカデミー賞がストライキの真っただ中に行われるという計算になる。アカデミー側は、何があろうと授賞式を決行する構えだが、式を行なっても肝心の俳優たちが登場しなければ授賞式も何もあったものではない。
これはアカデミーだけの問題にとどまらず、世界中にちらばる受賞式放映の権利を持つネットワーク、番組中のCM提供関連会社、アカデミー特集を組む媒体などと及ぼされる経済的影響は計り知れない。スト問題が丸く収まって、来る新年が映画業界にとって事実上の意味でハッピーニューイヤーになるようにと、関係者たちは祈るばかりである。