求められているのはヒーロー!?2008年人気の映画はヒーローがキーワード
不況が騒がれる昨今、やはり人々はヒーローを欲しているのだろうか!? オリコンが発表した2008年の年間総合DVDランキングによると、お笑いや音楽作品に混ざって上位にランクインした映画DVDは、2位に『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』、5位に『バイオハザードIII』、7位に『HERO』、11位に『アイ・アム・レジェンド』とヒーローものばかり。冬休みは寝正月と決め込んでいる人は、家で映画を観て、そんなヒーローたちの勇姿を目に焼き付け、新年への気持ちを新たにしてみてはどうだろう?
ダンディな熱血ヒーローにあこがれる人は、シリーズも22作を迎えた『007』シリーズより、6代目ジェームズ・ボンドとなったダニエル・クレイグに注目。当初は「金髪なんてありえない」「洗練されてない」などクレームが殺到したダニエルだが、初登場作映画『007/カジノ・ロワイヤル』が公開されるやいなや、人気も評価もウナギ上り。クールでスマートなそれまでのイメージを覆す、無骨で人間味あふれる武闘派ボンドはとにかく新鮮の一言。過激なアクションにも、体当たりで挑んだダニエルの熱演を最新作映画『007/慰めの報酬』を観る前にチェックしてほしい。
自由奔放なヒーローが好きな人は、年間ランキングでも堂々2位にランクインを果たした、個性派ヒーローの代表格、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの海賊ジャック・スパロウ。悪態や自己中心的な行動はお約束、人々の神経を逆なでしつつも強烈なカリスマ性を発揮。そんなジャックのキャラクターは、演じるジョニー・デップのアウトローな性格とも重なって見える。パパラッチといざこざを起こしたり、暴言で非難を浴びたり。それでいて家族やファンを大切にするジョニーの生き様が、何とも魅力的なヒーロー像を生み出したのかもしれない。
孤高のヒーローを愛する人は、ヒーローの悲哀を表現させたらピカイチのドル箱スター、長者番付でも上位をマークしたウィル・スミスによるSFサスペンス映画『アイ・アム・レジェンド』。人類滅亡後の地球で唯一生き残ってしまった科学者の孤独や葛藤(かっとう)をエモーショナルに演じて話題を集めた同作では、ウィルのひょうきんな資質がシリアスな物語に独特の軽さを与え、最後まで飽きさせない。
意外なヒーローを楽しみたいなら、超変化球のヒーロー映画として映画『アンブレイカブル』を挙げておこう。不死身の男を演じたら右に出るものはいないブルース・ウィリスが、ごく平凡……というかむしろさえないスタジアムの警備員にふんするサスペンス。ある特異体質を持つ彼がヒーローとしての使命に目覚める過程が、実に興味深い。
映画『007/カジノ・ロワイヤル』はWOWOWにて12月31日よる8:20より放送