伝記映画は苦労の連続!伝説のラッパーを描いた監督にインタビュー!
1997年に銃撃され、他界した伝説のラッパー、ザ・ノトーリアスB.I.G.の伝記映画『ノートリアス』(原題)についてジョージ・ティルマン・Jr監督が語った。本作は、ザ・ノトーリアスB.I.G.が、ニューヨークの麻薬密売人からヒップホップ界のスターダムにのし上がり、人気絶頂期に殺害されるまでを描いたドラマ。
製作までの経緯について「最初は映画『トレーニング・デイ』のアントワーン・フークア監督がやるはずだった。だが、製作過程で問題が生じ、おれがやることになった。オレ自身も、この企画について聞いていたし、ザ・ノトーリアスB.I.G.の大ファンだ。それにオレの初監督映画『ソウルフード』と主題がソックリでね! それでやろうと思ったわけ。ちなみに『ソウルフード』で実際に、ザ・ノトーリアスB.I.G.を出演させようと思っていたのさ。ラッパー同士の抗争事件とかがあって、実現はしなかったけどね」と完成までの長い道のりを語ってくれた
今回の苦労点を尋ねると「伝えたいストーリーが山ほどあったことかな。それにテレビで観るようなありふれた伝記作品にはしたくなかった。そして行き着いたのが、単に正直な映画であればいいという思いかな。だから、ザ・ノトーリアスB.I.G.が道端でドラッグを売っているのをきちんと見せたりとかなりオープンな表現もあるよ」と作品の意図まで語ってくれた。
ザ・ノトーリアスB.I.G.を演じたジャマール・ウーラードについては「大きな配給会社がかかわると、まず先に気にするのが俳優の知名度さ。だからザ・ノトーリアスB.I.G.を探すのは苦労したぜ。ハリウッドのどこに、カリスマ性があって、ブルックリン訛りでラップができる体重140キロ近くのやつがいるんだい? 知名度のある俳優をオーディションしたこともあったが、まったくダメ! だが、それが分岐点になったのさ。今何を探すべきかを考えた。そしてブルックリンでジャマールを見つけ出したんだ。結局はリアリティを追求することにしたのさ!」とキャスティング時の苦労話も交えて聞かせてくれた。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)