アカデミー賞CM枠大幅値引きセール中!
第81回アカデミー賞
世界的な不況の波が、ついに不動のアカデミー本部にまで訪れた。アカデミー賞の放映で、CM枠の料金を大幅に値下げすることが決定したのだ。去年、記録的な低視聴率を記録したアカデミー賞受賞式のニュースは、世界中に報道された。それに追い討ちをかけるように、今年は不況の嵐。それによる、CM枠から得る収入が貴重な財源となっている中継ネットワーク局のABCは、アカデミー本部以上に頭を抱えていた。
高視聴率ならCM枠の値段は、言い値でいくらでも取れるところを推定800万人にもわたる視聴者の減少が報道されたとあっては、以前のようにはいかない。
ガンコ一徹(!?)なアカデミー本部もこの状況にやっと腰を上げた。というより上げざる得ない状況に追い込まれたのである。アカデミー本部はやっとABCと折り合って、去年まで一枠約170万ドル(約1億5,000万円)だったCM枠料を約30万ドル(約2,700万円)値下げすると発表した。(1ドル=90円)
おまけに、去年までは禁止されていた新作映画の予告編CM放映に関しても、アカデミー賞が始まって以来の大幅な緩和を決め、予告編をCMとして流していいことになったばかりか、今まであった細かい規則上にも訂正を加え、「予告編CMの作品は、アカデミー賞終了後に封切られる作品でなければならない」という元来の規則を撤廃したという。
去年の時点で、CM枠のお得意さんであったフェデラルエクスプレスやGMなどの大手企業による枠を失い大打撃を受けているネットワーク事情を考慮すると、アカデミー本部も含め、関係者たちは、今年のCM枠の値下げをやむ得ない妥当な措置であると話している。