『アンダーワールド:ビギンズ』は2位に!『スラムドッグ~』が5位に浮上!-1月27日版
全米ボックスオフィス考
1月23日に封切りされた映画『アンダーワールド:ビギンズ』を振り切って、2,160万ドル(約19億4,000万円)の興行収入で2週連続1位に輝いたのは、映画『ポール・ブラート:モール・コップ』(原題)だった。第2週目は50パーセント前後ボックスオフィス収入が減るのが普通だが、『ポール・ブラート:モール・コップ』(原題)は32パーセント減にとどまり、封切りから10日目で6,490万ドル(約58億4,000万円)の興行収入を誇り、快調に飛ばしている。(以下1ドル90円計算)
シリーズ3作目となった『アンダーワールド:ビギンズ』は、2,083万ドル(約18億7,400万円)を収めて週末の成績では第2位。だが、火曜日の興行収入合計では、『ポール・ブラート:モール・コップ』(原題)の1,140万ドル(約10億2,000万円)に対して1,382万ドル(約12億4,300万円)の収入を上げ、『ポール・ブラートモール・コップ』(原題)を1位から引きずり下ろすという元気さを見せた。今回はシリーズ1と2より前のストーリーという設定で、主役に悪役にと現在映画業界で引っ張りダコの実力派マイケル・シーン(映画『フロスト×ニクソン』ではデビッド・フロストを演じて、俳優としてまったく別の面を見せている)、そして日本ではほとんど無名に近いローナ・ミトラがケイト・ベッキンセイルに代わってヒロインを演じる。
3位は惜しくもアカデミー賞ノミネーションを逃したクリント・イーストウッド監督・主演の映画『グラン・トリノ』で、興行収入は1,624万ドル(約14億6,000万円)。4位は前回からワンランクアップで映画『ホテル・フォー・ドッグス』(原題)。ファミリー映画は、やはり週末に強い。
そして今回の成績優秀賞は、封切11週目にして前回の10位から5位にのし上がった映画『スラムドッグ$ミリオネア』だ。先日発表されたアカデミー賞9部門(10ノミネート)にノミネートされたことが、この急上昇に大きく影響しているのは確実である。
アカデミー賞候補が発表された日を境に、ほかのノミネート作品もジワジワと成績を伸ばしており、映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』が先週末は11位に落ちたところだったが、今回のチャートでは9位に返り咲いており、ミッキー・ロークが主演男優賞でノミネートされた映画『レスラー』もジワジワと上昇して、前回の19位から14位に上昇した。アカデミー賞主要5部門でノミネートされた『フロスト×ニクソン』も、前回の25位から16位にワープ! さすがオスカー候補という肩書きの威力はスゴイものがある。
さて、今週末に封切りされる主な作品を見てみよう。まず、レニー・ゼルウィガー主演のラブコメ映画『ニュー・イン・タウン』(原題)。また、主演作がごぶさただったリーアム・ニーソンが、映画『テイクン』(原題)という異色のサスペンス作品で、娘を誘拐されて復讐(ふくしゅう)に燃える父親を演じる。そしてますます大人びてきたダコタ・ファニングちゃん(ちゃん付けする年ごろでもないが……)が主演の、恐怖ミステリー映画『プッシュ』(原題)などが公開される。(取材・文:神津明美 / Addie・Akemi・Kohzu)