血の付いたスマイリーフェイスがひそかにブーム?ネットで高値取引も!
美術家のハーベイ・ボールが生み出したキャラクターといわれているスマイリーフェイスが、今ひそかなブームを呼んでいる。
その理由は3月28日公開の映画『ウォッチメン』にある。本作は歴史的事件にかかわりを持つウォッチメンと呼ばれるヒーローが存在し、その活動が禁止されたアメリカを舞台に、ヒーロー殺人の真相を追うウォッチメンたちと、核戦争の危機にさらされた世界の姿を描いていくミステリー。1986年、グラフィックノベル界の異端児アラン・ムーアとデイヴ・ギボンズによって誕生した原作コミックは、アメリカで権威のある漫画賞の一つであるアイズナー賞などを受賞し、SF文学の最高峰ヒューゴー賞の特別部門に選ばれ、同賞を受賞した唯一のコミック作品となった。
そんな本作のトレードマークともいえるキャラクターが、スマイリーフェイスなのだ。しかし、一般的に知られているものとはちょっと違う。『ウォッチメン』に登場するのは、何者かによって殺害された、コメディアンというヒーローの血が付いた缶バッジ。この血の付いたスマイリーフェイス・バッジが、公開を記念して再発売された原作の初回限定グッズとして一部ショップで取り扱われたところ、ネットオークションで高値取引されるなど静かなブームを呼んでいるのだ。モナリザ以来の最も有名な笑顔と評されたこのキャラクターが誕生してから約40年。生みの親であるハーベイは、まさか血の付いたスマイリーフェイスが話題に上るなど夢にも思わなかっただろう。
映画『ウォッチメン』は3月28日より丸の内ルーブルほかにて全国公開