もはやヒット作の常連!観客はなぜ“テレビドラマの劇場版”に足を運ぶのか?
昨年の年間映画興行成績ランキングには、映画『花より男子ファイナル』『容疑者Xの献身』などテレビドラマが映画化された作品が上位を占めており、このパターンでの作品は今や映画興行界になくてはならない存在になりつつある。「なぜテレビで観られるドラマをわざわざ劇場で?」などとまゆをひそめるのはもはや過去のこと。公開されれば軒並み大ヒットを記録するテレビドラマの映画化作品の秘密を探ってみよう。
まずは、『花より男子ファイナル』。昨年夏に公開された同作は、同じ時期に公開された超話題作の映画『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』を上回り、約77億円もの売り上げを記録し大ヒット! そのヒットの裏側には、大規模な海外ロケを敢行した劇場版ならではのスケール感はもちろんのこと、つくし(井上真央)や道明寺(松本潤)という身近なキャラクターたちの新たな局面や意外なストーリー展開など、ファンを劇場に足を運ばせる“ここでしか見られないプレミア感”があったのはいうまでもない。
このヒットの方程式は、映画『HERO』『映画 クロサギ』『相棒-劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン』『容疑者Xの献身』など最近のヒット作にも共通している。また『花より男子ファイナル』や、映画『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』など、映画版で見納めというパターンも増えており、劇場版のプレミア感はますます高まる傾向にある。どの作品も、製作にかかわるテレビ局が全面的に宣伝をバックアップし、作品の知名度をあっという間に全国レベルで広めることができるという、大きなアドバンテージも見逃せない。
一方、洋画でも、ゴールデングローブ賞やエミー賞を何度も受賞した伝説の大ヒットテレビドラマを映画化した映画『セックス・アンド・ザ・シティ』が大ヒット。こちらもテレビドラマの最終話から4年後を舞台に設定し、「空白の4年間に、主人公たちに何が起こったのか?」というファンの好奇心を刺激したのが最大の勝因。さらに1000着以上の最新コレクションが目を楽しませたり、映画『ドリーム・ガールズ』でオスカーを受賞したジェニファー・ハドソンを出演させたりと、プレミア感もたっぷりだった。
今後も映画『ハゲタカ』『ROOKIES -卒業-』、洋画では映画『スター・トレック』などテレビドラマをベースに映画化した作品がめじろ押し。最近ではキーファー・サザーランド主演の「24 TWENTY FOUR」の映画化が企画されるなど、その勢いはますます加速するはずだ。
映画『花より男子ファイナル』は、5月6日よる8:40よりWOWOWにて放送。