タバコを吸っている『ココ・アヴァン・シャネル』のポスター フランスで問題に
オドレイ・トトゥ主演でココ・シャネルの生涯を描いた映画『ココ・アヴァン・シャネル』の広告用ポスターが、フランスで問題になっている。
ポスターには白と黒のパジャマを着てベッドの上でくつろぐオドレイの姿が写っているが、手には火のともったタバコを持っている。ココ・シャネルは、一日50本は吸っていたと言われる愛煙家で、写真を撮られる際にもタバコを持っていないことはほとんどなかったという。しかし、このタバコが問題となっているようだ。アクセス・ハリウッドによると、フランスの法律では広告に喫煙を描写することは禁止されているため、バスや電車の交通機関からはポスターが撤去される事態となったらしい。
「すべての交通機関で喫煙は禁止されています。この映画のポスターを通じて、無料でタバコの宣伝をするような理由はありません」と交通機関の広告を担当するメトロバスのスポークスマンは語っている。その後、映画のポスターは他のものに変えられたが、「わたしたちにとっての真のポスターは、ココ・シャネルが自然な形でタバコを吸っているポスターです。あの姿にこそ、彼女の強さと現代性が現れている」と配給会社のワーナー・フランスは残念そうに語った。
広告内での喫煙描写を禁止する法律制定にたずさわったクロード・エヴィン氏さえも、このポスターの撤去には不満らしく、「禁止令は“文化遺産”には適用されるべきではない」とコメント。フランスの保健大臣も「行き過ぎた行動」とコメントしている。