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日本人初!女性初!カンヌで河瀬直美監督に功労賞贈られる!

第62回カンヌ国際映画祭

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王冠型のトロフィーをかかげる河瀬直美監督
王冠型のトロフィーをかかげる河瀬直美監督 - Photo:Harumi Nakayama

 第62回カンヌ国際映画祭にて、カンヌフランス映画監督協会による功労賞「ゴールデン・コーチ賞」の授賞式が現地時間14日、「監督週間」部門のオープニングで行われ、今年の受賞者である河瀬直美監督に金の馬車をかたどった王冠型のトロフィーが贈られた。

 同賞は、フランスの巨匠ジャン・ルノワール監督の映画『黄金の馬車』から名付けられたもの。同部門に貢献し、カンヌでも高い評価を得ている監督に贈られるもので、今年で7回目。2003年にはクリント・イーストウッド監督、昨年はジム・ジャームッシュ監督といったそうそうたる面々が選ばれている。

 河瀬監督の受賞は日本人で初であると同時に、女性監督としても初の快挙となった。河瀬監督は2007年に『殯(もがり)の森』がコンペ部門でグランプリ(審査員特別賞)を受賞した際には、家族そろって現地入りしたが、「息子(5歳)はカンヌよりも遠足を取った(笑)」そうで、単独で参加。シックな黒のパンツスーツで登壇すると、会場から拍手喝采を浴びていた。

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 河瀬監督は、同部門スタッフから王冠型のトロフィーを受け取ると、頭に乗せておどけるちゃめっ気ぶり。続いて「12年前に『萌の朱雀』で初めてカンヌに参加したのが監督週間でした。その作品でカメラドール(新人監督賞)を頂いて授賞式から戻ってきて、スタッフ皆がシャンパンで祝福してくれたのがうれしかった。でもそのときに『賞のことは明日から忘れなさい。賞の上に乗ってモノ作りをしてはいけないよ』と言われ、その言葉を忘れずに、映画を作って来ました。この賞は立派な賞だけど、今日だけ(賞に)酔いしれて、明日からはまた初心者に戻って映画を作りたいと思います」と受賞の喜びを語った。

 その言葉通り、河瀬監督は現在、昔ながらの自然分娩(ぶんべん)に力を入れている名古屋の吉村医院を追ったドキュメンタリーを約1年かけて製作中。また故郷の奈良が平城遷都1300年を迎える2010年開催を目指して、「なら国際映画祭」の実行委員会会長として奔走中だ。河瀬監督は「カンヌのディレクター(ティエリー・フレモー氏)とドバイ国際映画祭で会ったときに、『映画祭を運営するのは難しいよ』と言われました(苦笑)。でも、わたしを発掘してくれた山形国際ドキュメンタリー映画祭にならって、小さくてもいいから、奈良の身の丈に合った、祈りの場と映画が密接した映画祭を作りたい」と抱負を語った。(取材・文:中山治美)

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