最高賞パルムドール決定!優秀女優賞はシャルロット・ゲンズブールに
第62回カンヌ国際映画祭
第62回カンヌ国際映画祭コンペティション部門の受賞結果が現地時間24日に発表され、最高賞のパルムドールは、オーストリア人のミヒャエル・ハネケ監督『ザ・ホワイト・リボン』に贈られた。菊地凛子主演『マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トーキョー』は映画祭の賞には漏れたが、仏の高等技術院(CST)から音響技術のアイトール・ベレンゲル氏に対してバルカン賞(技術賞)が贈られた。
ハネケ監督がコンペに出品されること5回目にして初めてのパルムドール受賞となった。審査委員長のイザベル・ユペールは、ミヒャエル監督の映画『ピアニスト』の主演女優とあって、受賞は順当といえるが、ユペールは「素晴らしく飛び抜けた映画に御褒美を与えたというだけ」と口うるさい記者たちの声をさえぎった。
また、優秀女優賞には物議を醸したラース・フォン・トリアー監督『アンチクリスト』(原題)で自慰行為はおろか、性器まで見せる熱演をしたフランスの女優シャルロット・ゲンズブールに。優秀男優賞にはクエンティン・タランティーノ監督『イングロリアス・バスターズ』でナチの大佐を演じたドイツの男優クリストフ・ワルツがそれぞれ受賞した。シャルロットは記者から、「賛否両論の声があったが、この賞をどう受けとめるか?」と問われると、「観客の意見がわかれたことは知っています。でもわたしはラースの才能を信じている」とコメント。また、「受賞を一番最初に誰に伝えたか?」と尋ねられると、シャルロットは母親で女優のジェーン・パーキンにメールで伝えたそうで、「わー! おぉ!」という反応が返って来たという。一方、クリストフは、タランティーノ監督に電話で喜びを報告したそうで、「(パーキンと同じく)『わー! おぉ!』というのが英語で返って来た」と答えて、会見場は笑いに包まれた。
受賞結果は次の通り。
【パルムドール】
『ザ・ホワイト・リボン』(独・オーストリア・仏・伊)
ミヒャエル・ハネケ監督
【グランプリ】
『預言者』(仏)
ジャック・オディアール監督
【審査員特別賞(映画史への貢献と長年の功績を讃えて】
アラン・レネ監督
【優秀監督賞】
ブリリャンテ・メンドーサ監督
『キナタイ』(仏・フィリピン)
【審査員賞】
『フィッシュ・タンク』(英国)
アンドレア・アーノルド監督
【優秀男優賞】
クリストフ・ワルツ
『イングロリアス・バスターズ』(クエンティン・タランティーノ監督)
【優秀女優賞】
シャルロット・ゲンズブール
『アンチクリスト』(ラース・フォン・テリアー監督)
【優秀脚本賞】
メイ・ファン
『スプリング・フィーバー』(ロウ・イエ監督)
【高等技術院・技術賞】
録音技術アイトール・ベルンゲル
『マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トーキョー』(イザベル・コイシェ監督)