『ターミネーター4』で若きカイル・リースを熱演!なんで息子ジョンより若いの?
今、次世代のカメレオン俳優として、ハリウッドで注目されている若手俳優の一人であり、映画『ターミネーター4』で、若き日のカイル・リースを演じているアントン・イェルチンに、本作の役作りについてや、カメレオン俳優と呼ばれるほど作品ごとに違う顔を見せる演技について語ってもらった。
アントンが演じたカイルは、映画『ターミネーター』シリーズのキーパーソンともいえる大切なキャラクターだ。オリジナルの映画『ターミネーター』では、ヒロインのサラ・コナーを守るために、サラの息子であるジョン・コナーに未来から送り込まれる。彼女を守る過程でサラと恋に落ちて、ジョンが生まれる。そのため、今回の映画『ターミネーター4』では、ジョンよりもずっと若い父親・カイルが登場するのだ。そんな未来と過去が複雑に入り組んだキャラクターの設定を説明しながら、アントンは「何とも複雑だよね! 実は僕も、最初は全然わからなくて、何度も作品を観たよ。あのときこうだったら、今はこうで……とか。とにかく複雑で頭がこんがらがりそうになっちゃった!」と笑った。
観客は、すでに大人になったカイルを見ている。それがさらにアントンの演技を困難にさせた。「決してシンプルではなかったよ。すべての演技は、マイケル・ビーンが演じたカイルに基づいているんだ。『ターミネーター』を何度も観ながら、カイルという人間を研究したんだ。彼の動きや、話し方を参考にしながら役作りをしたよ」と役作りの過程を振り返った。
「いろんなキャラクターを演じて、その役柄に入り込むことが楽しい!」と語る彼だが、今月はアントンが出演した映画を2本も観ることができる。静かな情熱を胸に秘めながらも、勇敢に戦うカイルを演じている『ターミネーター4』と、強烈なロシア語なまりのちょっとオタクな少年パイロットを演じている映画『スター・トレック』。どちらの映画を観ても、絶対に同一人物が演じているとは、とても信じられない。どちらもアントンが演じているはずなのに、まったく違う人物に見えるのだ。そのことについて、アントンは「僕は、カメレオン俳優と呼ばれる存在になりたい。それは、今回共演したジョン・コナー役のクリスチャン・ベイルもすごく参考になった。彼こそ、いろんな映画で変身を遂げるカメレオンだからね。『スター・トレック』を観てくれた人が、この映画を観て、アントン・イェルチンだって気付かなかったら、すごくうれしい」と演技に対する彼なりの哲学を聞かせてくれた。
キャラクターによって、自在に体重を増減させ、アクセントもすべて変えていく、まさにカメレオン俳優であるクリスチャン・ベイルの演技を吸収し、演技への情熱もさらに高まったというアントン。彼が、次にどんな大変身を遂げるのか、これからの活躍に期待したい。
映画『ターミネーター4』は6月13日より丸の内ピカデリーほかにて全国公開