桃井かおりは僕の女神様!奥秀太郎監督がマジ告白!?
奥秀太郎監督の最新作『USB』で、ギャンブルやドラッグの世界にはまり込み、さらなる絶望と焦燥にさいなまれていく主人公・祐一郎(渡辺一志)の母親を演じた桃井かおりと奥監督にインタビューし、二人の出会いや共演のいきさつなどを聞いた。
二人の出会いは、2007年のベルリン国際映画祭の会場だった。奥監督は映画『カインの末裔』、桃井は映画『無花果の顔』の監督として参加していた。桃井は「わたしも奥監督も一人で会場入りしていたんです。自分でシャトルバスに乗って、自前でビールを飲んでね。ほかは映画会社がついてすごい人数で来てたんですけど」とそのときの様子を話した。「僕なんて一文無しみたいな状態でボロボロの服着て、バックパッカーみたいだったんですよ」と奥監督が言うと、桃井は「それがいいと思ったのよ。映画もすっごく良かったし」と言い、この若き監督の姿勢や感性をひと目で気に入ってしまったことを明かした。一方、奥監督は学生時代から桃井のファンで、映画祭の会場で桃井の姿を目にした途端、「女神様がいらっしゃる!」と思ったという。その女神様から声を掛けてもらい、天にも昇るような気持ちだったそうだ。
別れ際、「今度はぜひ(撮影に)誘ってほしいなあ」という桃井の言葉を信じ、本作を撮影するにあたり、真っ先にメールで桃井に出演依頼をしたという奥監督。「ダメでもともとという気持ち」だったそうが、帰ってきた答えはOK。その決め手となったのは、奥監督が桃井に送った1枚のDVDだったという。その中には本作のラストシーンが映っていたという。「それがもう感動的な雪で! ちょうどわたしも、自分の作品で雪のシーンを作っていたときだったんで『やられたあ』と思ってね。あー、この作品、出たいと思ったの」と苦笑いしながら話す桃井。そして実現した二人の共演。大女優・桃井を感動させた奥監督の鋭く美しい感性がたっぷり詰まった本作を、ぜひ劇場でじっくり鑑賞してほしい。
映画『USB』はシネマライズにて公開中