『キル・ビル』パロディーでファンあぜんの若手監督、新作ナチゾンビ映画を語る!
映画『キル・ビル』シリーズのパロディー映画『キル・ブル ~最強おバカ伝説~』を監督し、ファンをあぜんとさせたノルウェー映画界のオタク監督トミー・ウィルコラが、ナチス兵ゾンビとのバトルを描いた新作について語った。
新作映画『Dead Snow(デッド・スノウ)』(原題)は、サム・ライミ監督のデビュー作映画『死霊のはらわた』を思わせるスプラッター作品。
撮影を振り返って「雪山のロケだろ? 動き回っている俳優を撮るのに、カメラを設置したスノーモービルやヘリを用意したんだけど、前日にドカ雪が降りやがってさ。機体の周りの雪を取り払うのに随分手間取ったよ。だけど一番大変だったのは血! シロップで作ったんだけど、垂らしてもすぐに凍っちゃうし、流れも悪かった。結局デジタル処理しなきゃならなくって、撮影後は油とかで作った凍りにくいものでやればよかったって思ったよ」と苦労を語る。
『キル・ブル ~最強おバカ伝説~』の制作経緯については「あれを作ったのは、映画学校を卒業したばかりのころさ。スタッフはノルウェー北部に住むオレの学生時代の友人。低予算だし、コネとかなかったけど、運良く配給会社が見つかって。さらにファンまで付いてさ! そのおかげで新作のナチス兵ゾンビ映画が作れたわけ。『キル・ブル ~最強おバカ伝説~』のストーリーは、ゾンビが主役なんだけどストーリーはほぼ『キル・ビル』! そんでもって映画『スター・ウォーズ』とか有名映画のパロディーもたくさん入っているんだよ」
本作も、『死霊のはらわた』や日本では劇場未公開ながら話題になった映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』を思い起こさせ、かなりコメディー色が強い。「笑いと恐怖のバランスに気をつけたよ。判断するのは観客だけど、オレたちはできるだけパロディー化し過ぎないように心掛けたんだ。ホラーやスプラッター・シーンを第一に考え、その中で起こる不可思議な行動が面白く見えるようにね」と述べた。
サンダンス映画祭で評判となったことで、次はグリム童話をモチーフにした魔女ハンターの物語をアメリカ資本で制作するらしい。30歳になったばかりのトミー監督。ちなみに好きな監督は1980年代のスティーヴン・スピルバーグ監督とライミ監督とのことだ。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)