佐野史郎、ローマで中川元大臣の泥酔会見に遭遇!
映画『アマルフィ 女神の報酬』で舞台となるイタリアに駐在する日本大使館参事官を演じた佐野史郎が、ローマでの撮影秘話を語ってくれた。本作はローマで発生した日本人少女誘拐事件を発端に、外交官の黒田康作(織田裕二)がイタリア全土を巻き込む大規模連鎖テロの真相を突き止めようと奔走するサスペンス超大作だ。
日本映画として初となる全編イタリアロケを敢行した本作で、参事官にふんした佐野は、現地で驚かされる出来事に遭遇した。それは、同時期にローマで開催されたG7に出席していた当時の財務大臣、中川昭一氏が後に問題となった泥酔会見。「もちろんテレビを通してですけど、日本で見るのと、現地で観るのとでは臨場感が違いましたね。何をやっているんだろう。何があったの? って。自分の役柄と重ね合わせちゃいましたよ(笑)」と語る佐野は、中川元大臣の失態に振り回される現地の大使館員たちの苦労に思いをはせながら、参事官役に臨んだそうだ。
「でも、イタリアのワインはおいしいからね。(中川元大臣の)気持ちも少しだけお察しいたします」と参事官役の佐野。オフには、初めて訪れたローマの美しい町並みを趣味のカメラ片手に楽しんだが、タイトルにもなっている世界有数の高級リゾート地であるアマルフィに行く夢はかなわなかった。「そりゃ、行きたかったですよ。ましてや本編でアマルフィの美しい風景を見ると余計にね」と佐野が語るように、本作はイタリア各地の情景も大きな見どころだ。
初主演映画『夢みるように眠りたい』がヴェネチア国際映画祭に正式出品されて以来、イタリアとの縁がある佐野。本作の撮影は、イタリア映画界の巨匠である故フェデリコ・フェリーニ監督の本拠地でもあった有名なスタジオ「チネチッタ」でも行われ、映画ファンでもある佐野にとっては特別な感情がわいてきたという。インタビューの最後に佐野は「サスペンス大作ですが、決して荒唐無稽(こうとうむけい)な話じゃない。テロやクーデターなど日々世界で起きている切実な問題を真正面から描いているので、考えさせられる部分も多いと思います。と同時にローマやアマルフィに思いをはせて、劇場を出た後にはイタ飯を食べてもらって(笑)、気分だけでもイタリアっ子になってもらえれば」と作品をアピールしてくれた。
映画『アマルフィ 女神の報酬』は7月18日より全国公開