お尻丸出し映画!『ブルーノ』が全米ナンバーワン映画に!!-7月14日版
全米ボックスオフィス考
映画『トランスフォーマー/リベンジ』を2週連続第1位の座から引きずり下ろし、今週全米ボックスオフィスの王座(女王の座!?)に輝いたのは、サシャ・バロン・コーエンの新作映画『ブルーノ』だった!
サシャの前作映画『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』のゲイ版ともいえる『ブルーノ』は、オシリ丸出し度もパワーアップ(!?)して、全米2.756映画館、推定3.400スクリーンでの大型ロードショーで公開。見事3,062万ドル(約30億6,200万円)の興行収入を記録して、2006年11月に公開された『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』の封切りウイークエンドの興行収入2,646万ドル(約26億4,600万円)を大きく上回った。(1ドル100円計算)
ところが国内の興行成績において、『ブルーノ』のチャート第1位は手放しでは喜べない状況にあるというのが実情。今週末の全米映画観客数が、過去17年間の同じ週末と比べて最低だったことに加えて、『ブルーノ』の興行成績も総合では第1位なのだが、封切り日だった7月10日(金)の売り上げと翌日11日(土)の売り上げを比べると、金曜日が1,440万ドル(約14億4,000万円)、そして土曜日が880万ドル(約8億8,000万円)と、週末に向けて右肩上がりにならなければいけないところを39パーセントもの落下率を記録してしまった。このように、金曜と土曜の落差が大きい映画は長持ちせず興収も尻すぼみになってしまうというのが定番のハリウッドなので、これから『ブルーノ』がどのような動きを見せるかに興味が集まっている。
第2位は、2週連続で映画『アイス・エイジ3 ティラノのおとしもの』となり、2,760万ドル(約27億6,000万円)を記録。先週末の封切り時には前作の映画『アイス・エイジ2』よりもボックスオフィスでの勢いが弱いと評されたものの、2週目に入っての興収の下降率は34パーセントにとどまり、前作、そして前々作の映画『アイス・エイジ』の同時期の興収よりもいい成績を収めており、封切り後12日間で1億1,970万ドル(約119億7,000万円)と、総合売り上げの伸びも『アイス・エイジ2』に追いついてきている。
今週の第3位は、先週の2週連続王座を明け渡した『トランスフォーマー/リベンジ』で2,421万ドル(約24億2,100万円)の売り上げ。すでに前作の映画『トランスフォーマー』の全米総合売り上げを抜いたシリーズ第2弾となる本作は、封切り後19日間で3億3,920万ドル(約339億2,000万円)という興収をたたき出し、依然としてその数字は上昇し続けている。なお、『トランスフォーマー/リベンジ』の歴代ランキングは7月14日現在で第14位。第13位に居座っている映画『ジュラシック・パーク』が、その座を明け渡す日も遠くなさそうだ。
第4位は、先週からワンランクダウンとなったジョニー・デップ主演の映画『パブリック・エネミー』(原題)で、1,379万ドル(約13億7,900万円)。
そして第5位は、こちらもワンランクダウンしたものの下降率がたったの18パーセントで、これからの息の長さが期待されているサンドラ・ブロック主演の映画『あなたは私の婿になる』。ちなみに、今週のボックスオフィス売上高は1,060万ドル(約10億6,000万円)だった。
さて次回の新作チャート・ランクイン予想だが、こちらは文句なしで7月15日に公開の映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』が上位への登場が確実。全米映画ナンバーワン獲得もほぼ間違いないと見ていいだろう。そこで注目が集まるのは、果たしてこのシリーズ6作目が封切りウイークエンドに、一体どれだけの興収をたたき出すかということである。こうご期待! (取材・文:神津明美 / Addie Akemi Kohzu)