モントリオール世界映画祭で『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』が最優秀監督賞受賞!
第33回モントリオール世界映画祭で現地時間7日、ワールド・コンペティション部門に正式出品された映画『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』で、根岸吉太郎監督が最優秀監督賞を受賞した。
本作は、太宰治の小説「ヴィヨンの妻」を松たか子、浅野忠信主演で映画化した人間ドラマ。戦後混乱期の東京を舞台に、苦悩する小説家の大谷(浅野)と、彼を支える妻・佐知(松)の姿を描いていく。本映画祭の創設者兼ディレクターのセルジュ・ロジーク氏は来日時に本作の試写を観て、根岸監督の演出家としての手腕を絶賛していた。
授賞式の壇上で根岸監督は「メルシー・ボク、メルシー・ボク、メルシー・ボク、メルシー・ボク、メルシー・ボク。何度お礼を言っていいかわかりません。モントリオールという、映画が大好きな人々の映画祭で、この映画の第一歩を歩むことができました」と喜びを最大限に表現。受賞後は「個人で受賞した賞ですが、日本映画全体の名誉だと思っています。自分の名前が呼ばれたときは、自分の名前ってフランス語っぽいなぁ(笑)と感じていました。地味な演出の作品なので、受賞できるとは思っていませんでした。この映画の東洋的なニュアンスをきちんと読みとってもらえて大変うれしく思います」とコメントした。
根岸監督は1978年に映画『オリオンの殺意より 情事の方程式』で監督デビュー。数多くの傑作ロマンポルノ作品を発表し、一般映画に進出してからは映画『遠雷』『雪に願うこと』『サイドカーに犬』などで高い評価を得ている。
映画『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』は10月10日より全国東宝系にて全国公開