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ミラノ映画祭、日本からのコンペ作出品の内藤監督、イタリア男性3人にナンパされ…

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ミラノ映画祭に参加する内藤隆嗣監督
ミラノ映画祭に参加する内藤隆嗣監督 - Photo:Harumi Nakayama

 イタリアで開催中のミラノ映画祭で、映画『不灯港』がコンペティション部門に選出された内藤隆嗣監督が現地時間19日、インタビューに応じた。

 同映画祭のコンペは新人監督が対象で、内藤監督は今年1月に開催されたロッテルダム国際映画祭のワールドプレミア上映に始まり、スペシャル・メンションを受賞した台北映画祭など実に8つ目の映画祭参加となる。

 小規模な映画祭ゆえ、現地入りしたコンペ参加監督5人は同じアパートで共同生活させられている。「皆『これじゃ、まるで刑務所だ』とボヤいています。ある意味、監督たちの結束力が生まれました(苦笑)」と言う。

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 それでも映画の内容が、寂れた漁師町に住む主人公の万造が、ルックスからは想像もつかぬようなキザな口説き文句を吐いて女性のハートをつかもうとするハードボイルドな喜劇なだけに、内藤監督は、イタリアの伊達男たちの反応を楽しみにしていたという。

 現地時間16日の上映に立ち会った内藤監督は「全体的な反応は良く、いろんな人に『良い映画だ』と声をかけられたんですけど、他国の映画祭ではドカン、ドカンとウケていた、万造がバラの花を使って女性にモーションをかけるシーンで笑いが起こらなかったんですよね。やっぱり、口説きの本場は違うなと思いました」と苦笑いする。

 万造同様に内藤監督も、愛のさすらい人だ。7月の日本公開の際には、映画の内容にかこつけて一般人との公開お見合いを実施。300人の中から映画の感想文などで選んだ5人と実際に会った。その後の進展具合について、内藤監督は「それっきりですね。僕の努力不足です」と反省しきりだ。

 今回のミラノ映画祭でも新たな出会いに期待してやってきたが、自称舞台俳優というイタリア人男性3人に逆ナンパされるという思わぬ展開になった。「道を歩いていたら、『お前、クールだな。一緒に食事でもどうだ?』と声をかけられまして。そっちの方面の趣味があるのかと警戒したんですけど、結局、10数人とのパーティーみたいな感じで普通に食事をしました。中には女性もいたんですけど、何事もなかったですね……」と不発に終わった模様だ。

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 そんな内藤監督の興味は、街中のあちこちで見かける、堂々とキスするカップルだ。「ミラノに来て日本と違うのは、携帯電話の画面を見ている人よりも、キスし合っているカップルの多いこと。こっちの方が健全だなって思いますね」と感心する。

 本映画祭終了後、コンペはもちろん、新たな出会いも期待して、24日から始まるドイツ・ハンブルグ映画祭に向かうという内藤監督。映画祭でのこれらのしょっぱい経験を生かすべく、現在、次回作の構想を練っているという。 コンペの結果は、現地時間20日に発表。またコンペには、英国人のローレンス・スラッシュ監督が日本を舞台に引きこもりをテーマに撮った『扉のむこう』も出品されている。(取材・文:中山治美)

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