ロマン・ポランスキー監督、13歳の少女へのわいせつ容疑で拘束…32年前の事件
『戦場のピアニスト』で第75回アカデミー賞監督賞を受賞しているロマン・ポランスキー監督がスイスに滞在中にスイス当局に身柄を拘束された。1977年に起こした13歳の少女への淫行事件に関しての容疑のためとみられる。フランスの文化相ミッテランの会見によると、ポランスキー監督は、チューリッヒ映画祭にて生涯功労賞の授与式に出席するためにスイスに滞在中だったという。
ポランスキー監督は1977年に俳優のジャック・ニコルソン邸で13歳の少女と性行為を行った容疑がかけられ、法的強姦罪など6つの罪に問われた。しかし、判決が出る前にアメリカから出国したため現在は逃亡者とみなされている。現在はフランスに移住しており、アメリカを出国して以来、逮捕を恐れ一度もアメリカには戻っていない。有罪となれば懲役1年から50年の実刑判決が言い渡される可能性がある。2003年に『戦場のピアニスト』のアカデミー賞監督賞にノミネートされ授与式に出席するために帰国するのではないかともいわれていたが実現しなかった。ちなみに授与式に出席はしなかったがアカデミー賞監督賞は受賞した。
ポランスキー監督にわいせつ行為を受けたといわれている当時13歳だった少女は、『戦場のピアニスト』でポランスキー監督がアカデミー賞監督賞でノミネートされたとき、「わたしは彼を恨んではいませんが、同情もしていません。ただ、アカデミーには、作品の質だけを考慮して監督の才能と映画を評価して欲しいと思っています。わたしも、あの事件も、評価とはまったく関係ないことです」とポランスキー監督を擁護する発言をしている。
また、ここ数年、ポランスキー監督は、この件を担当した判事と、弁護士事務所の間で不適切なやり取りがあったとしロサンゼルス法廷に起訴取り下げの申し立てをしていた。
ポランスキー監督のアメリカへの身柄の引渡しがいつ行われるかなどについてはまだ発表されていない。