大ヒット街道ばく進中!3Dアニメ!『くもりときどきミートボール』が全米第1位!! -10月1日版
全米ボックスオフィス考
最近ハズレの3Dアニメの方が少ないくらいだが、ソニー・ピクチャーズ製作の3Dアニメ映画『くもりときどきミートボール』が、2,504万ドル(約25億400万円)の興行収入で2週連続全米ウイークエンド第1位の映画に輝いた。(1ドル100円計算)
今週末は、万人向けの映画が『くもりときどきミートボール』くらいしかない、ということも強みのひとつになっているようで、先週と比べても下降率はたったの17パーセント。公開後10日間で6,050万ドル(約60億5,000万円)の売り上げをたたき出している。
そんな肉団子(ミートボール)に屈して第2位に甘んじたのは、初登場の週末に大ヒットを記録するはずだった、ブルース・ウィリス主演SFアクション映画『サロゲイツ』(原題)。興行成績は、第1位の数字から40パーセント近く引き離された1,490万ドル(約14億9,000万円)。製作スタジオの大きな期待を担っていた作品だけに、非常に残念な結果だったといっていいだろう。
デビュー週末でトップを狙っていたのにダメだった新作がもう一本ある。こちらはMGMスタジオの大きな期待を背負っていた映画『フェーム』(原題)である。この作品のオリジナルは、ご存じのように1980年のアラン・パーカー監督作品で、当時ユニークだった青春ダンスものとしてヒットを記録した。1982年には同名のテレビ番組がスタートして、これもヒット。
柳の下の2匹目のドジョウを当て込んで『フェーム』(原題)をリメイクしたMGMだったが、今週デビュー週末の興行収入、1,001万ドル(約10億100万円)という数字を見て大ショックであろう。多額のPR経費を注ぎ込み、3,096映画館・推定3,400スクリーンで大型公開された同作品は、2006年度ブエナビスタ製作のヒット映画『ステップ・アップ』と同様の成功を見込んで作られただけに、この売り上げでは誰かのクビが飛んでもおかしくない状況だからだ。
第4位は、先週から2ランクダウンの映画『インフォーマント!』で662万ドル(約6億6,200万円)。売り上げ下降率は36.7パーセントと悪くない。
第5位は映画『タイラー・ペリーズ・アイ・キャン・ドゥ・バッド・オール・バイ・マイセルフ』(原題)で、476万ドル(約4億7,600万円)の売り上げ。
ちなみに、先週初登場にもかかわらずさんざんな成績でたたきまくられていたミーガン・フォックスの主演映画『ジェニファーズ・ボディー』(原題)だが、今週もジェニファーたたきが続行している。先週の第5位から第8位に落下して46.6パーセントの下降率……というと、それほどひどくない下降度のように思えるが、ところがどっこい、このランクは「不正確である!」という声が業界から上がっている。実は週末の夕刻上映回の『ジェニファーズ・ボディー』(原題)には、ドリュー・バリモア監督作品の新作映画『ウィップ・イット』(原題)が併映としておまけに付いていたのだ。しかし、その特別併映のあった回の売り上げも、『ジェニファーズ・ボディー』(原題)の売り上げ、ということでひとくくりにされてしまっており、「愚作『ジェニファーズ・ボディー』(原題)の売り上げに期待作『ウィップ・イット』(原題)の売り上げが混ざっているとはけしからん!」ということなのであろう。いずれにせよ、『ジェニファーズ・ボディー』(原題)という映画は敵が多いような気がする……。
さて、来週のランキング予想だが、先ほど登場した『ウィップ・イット』(原題)がまずひとつ。テキサス州の小さな町に住む女の子が都会のローラー・ダービーのチームに入団して繰り広げる数々のドラマで、元気の出る女の子パワー映画だ。
そして、そのライバルとなりそうなのがマイケル・ムーア監督待望の新作ドキュメンタリー映画『キャピタリズム~マネーは踊る~』である。アメリカ、そしてやがては世界を震撼(しんかん)させた経済破綻を資本主義の構造を通して追及し、大手金融機関に対する政府の融資などを辛らつかつ皮肉たっぷりに語りドキュメンタリー化したもの。ムーア節大さく裂である。(取材・文:神津明美 / Addie Akemi Kohzu)