アントニオ猪木のプロ根性に、「絶対に自分の弱さを見せない人」と辻監督も感服
第22回東京国際映画祭
22日、東京・六本木のTOHOシネマズ六本木ヒルズで、第22回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されている映画『ACACIA』が上映され、辻仁成監督が舞台あいさつに立った。
登壇予定だった主演のアントニオ猪木は、急きょ舞台あいさつをキャンセル。腰椎(ようつい)すべり症の手術を受けて13日に退院したばかりとあって、大事をとったのだが、「元気ですかー? 元気があれば何でもできる! 元気があれば映画祭にも出品できる!!」とおなじみの熱く元気なメッセージを辻監督に託し、観客に俳優としての映画デビュー作をアピールした。
実は、撮影中も腰の具合が悪かったという猪木だが、辻監督いわく「猪木さんは絶対に自分の弱さを見せない人。僕も撮影中、『どこか悪いのかな?』程度にしか思っていなかったが、あるスタッフから腰が相当お悪いと聞いた」と猪木の不屈の精神力とプロ根性に感服していた。ちなみに、本作は日本映画唯一のコンペティション部門出品作だが、辻監督は「グランプリを狙うという意識はまったくない」と淡々とした表情だった。
『ACACIA』は、辻監督が映画『目下の恋人』以来6年ぶりに発表したヒューマンドラマ。辻が前妻との間にもうけた息子への思いをこめた作品として製作され、子どもを亡くした心優しき元プロレスラー(猪木)と、母親に置き去りにされた少年との交流が描かれている。
映画『ACACIA』は2010年公開予定