南田洋子さん最後の映画『22才の別れ』の大林宣彦監督「生き残った僕らは頑張ろう。ね、長門さん!」
21日にくも膜下出血のため亡くなった南田洋子さんの訃報を受け、大林宣彦監督が追悼コメントを発表した。
「南田洋子さんと共に、一つの映画の時代が終わった。あの素敵なものを終わらせないために、生き残った僕らは頑張ろう。ね、長門さん!」大林宣彦(映画作家)
テレビや舞台など幅広いジャンルで活躍してきた南田さんが、最後に出演した映画は、2007年に公開された大林監督の映画『22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語』だ。そのほかにも、映画『理由』『ふりむけば愛』『HOUSE ハウス』など、数多くの大林監督作品に出演している。そんな縁のある女優へ向けた最後の言葉には、一つの時代の終わりを嘆きつつ、後に残された南田さんの夫・長門裕之に向けて励ましの言葉が込められていた。
南田さんは、昭和27年のデビュー以来、映画、テレビ、舞台など、百数本もの作品に出演した日本を代表とする名女優の一人。昭和38年に映画『サムライの子』で ブルーリボン賞を、昭和40年にはテレビドラマ「紀の川」で日本放送作家協会賞最優秀女優賞を受賞している。1960年代の日本映画全盛期には、石原裕次郎、渥美清、高倉健、吉永小百合、浅丘ルリ子など、名だたる名優と共演している。映画『太陽の季節』で共演した長門と結婚してからは、そのおしどり夫婦ぶりが有名で、二人一緒に仲良くテレビ番組に登場する姿が印象的だった。2005年ごろに認知症を発症後は、芸能界を引退し長門の温かい介護の元、病と戦っていた。