9歳のヒロインを演じた美少女に諏訪敦彦監督、振り回される?
14日、東京日仏学院にて、日仏合作映画『ユキとニナ』来日記者会見が行われ、共同監督を務めた諏訪敦彦と俳優のイポリット・ジラルドの二人が出席した。
オムニバス映画『パリ、ジュテーム』で諏訪監督が担当した一編「ヴィクトワール広場」にイポリットが出演した縁で、今回の共同監督が実現したという二人。先に話を持ちかけたという諏訪監督は「一人で作るほうが楽。でもあえて二人体制で、いろいろな問題を一緒に突き詰めていくからこそ、到達できるものがあると考えた」と今回共同で監督した理由を明かす。
9歳のヒロインを演じたノエ・サンピはそれまで演技未経験ながら、両親の離婚に直面する複雑な子どもの内面を見事に体現。直感でキャスティングしたという諏訪監督は「彼女はプロの俳優と違って意に沿わない要求は拒む(笑)。でも自分たちの敷いたレール通りにいかなかったことが、かえってこの作品を独特なものにしたんです。彼女の存在には教えられたことが多い」としみじみ語ると、イポリットも「わたしは最初彼女にピンとこなかったが、諏訪監督の直感は正しかったようです」と諏訪監督のコメントに同意。さらに「わたしたちは彼女の親のようなもので、映画と同じようなことがわたしたちと彼女の間で起きていました」とさまざまな苦労があったことをにおわせると、諏訪監督も「今回の撮影で一番偉かったのはノエ。彼女には逆らえなかったね(笑)」と二人で笑い合っていた。
『ユキとニナ』は、映画『不完全なふたり』の諏訪監督が、フランスの名優イポリットと組んで作り上げた日仏合作のヒューマンドラマ。フランス人の父と日本人の母を持つ9歳の少女ユキ(ノエ)が、両親の離婚、友情や別れを通して成長していく様を描く。
映画『ユキとニナ』は、2010年1月より恵比寿ガーデンシネマほかにて全国公開