スピルバーグの『オールド・ボーイ』リメイクの中止が決定-版権所有の双葉社は支持していたのに
昨年、スティーヴン・スピルバーグ監督とウィル・スミスによって『オールド・ボーイ』のハリウッドリメイク版の製作が発表されたが、複雑な権利の問題でついに製作の中止が決まったようだ。
映画サイトLatino Reviewが独占スクープとして伝えたところによると、スティーヴンとウィルが企画していたハリウッド版『オールド・ボーイ』の企画が消滅したとのこと。リメイクといわれているが、スティーヴンとウィルによれば、製作しようとしていた映画はパク・チャヌク監督による韓国映画『オールド・ボーイ』のリメイクではなく、土屋ガロンと嶺岸信明による漫画「ルーズ戦記 オールドボーイ」を基にハリウッド映画化しようとしていた。
本企画は、発表された当初から原作漫画の版権を所有する双葉社が、「リメイクの企画があることを全く聞いていない」と異例のコメント発表し、今年の6月15日に双葉社がハリウッド版へのリメイク版権に関して、韓国映画『オールド・ボーイ』を製作したショーイーストを告訴して注目を集めていた。訴状によれば、ショーイースト側が双葉社および原作者に通知せず、勝手にユニバーサル・ピクチャーズとリメイク権の交渉をしたことで、関連収益支出事項を通告し代価を支払うとした双葉社との基本契約を破ったというものだ。この訴訟により、スティーヴンとウィルはハリウッド版の製作をあきらめるかと思われたが、訴訟とは関係なく企画は進めるとコメントを発表していた。しかし、リメイク権を獲得しようとしていたユニバーサルが権利を獲得できず、スティーヴンのドリームワークスも契約合意まで至ることができず、ついにスティーヴンとウィルの二人が本企画から降りたことで、ハリウッド版の企画は中止となったことが明らかにされた。
双葉社が訴訟後に発表したコメントによれば、「双葉社及び原作者の土屋氏と嶺岸氏は、ハリウッドのこのプロジェクトを100%支持する気持ち」ということでハリウッド版の映画化を支持していただけに残念な結果となってしまった。
双葉社「オールド・ボーイ」制作会社を提訴した件についてのご説明:http://www.futabasha.co.jp/introduction/old_boy/