パニック障害と闘うヒュー・グラント、病状語る 引退説は否定
映画撮影時に極度なパニック障害を起こし、一部で「俳優引退説」もささやかれたヒュー・グラント。確かにこのところ、出演作が少なくなった彼が、新作『噂のモーガン夫妻』の公開を前に真実を語ってくれた。
「『ラブソングができるまで』を撮影していたとき、リハーサルではうまくいっても、いざ本番になるとまったく演技ができなくなってしまった。演技が難しいシーンならともかく、普通の会話でそうなってしまう。診断は『パニック障害』で、精神安定剤を飲んで何とか撮影を続けたよ。そうでもしないと、そのシーンはカットするしかない状況にもなったんだ。まぁポップスターの役だから、安定剤を飲んで演じるのも悪くないけどね(笑)」
今でこそこうしてジョークも込めて語るヒューだが、実際に映画『ラブソングができるまで』の撮影後は、「何人もの医師の診断を受け、もう俳優の仕事には戻りたくなくなった」と本音を吐露。そんな彼もようやく『噂のモーガン夫妻』への出演を決意することができた。
「脚本がすばらしかったからね。そろそろ部屋から外に出て仕事をしてみようと思えたのさ。でも、いざ契約してから『もうやるつもりはなかったのに』と、やはり後悔してしまった。その段階で医師に相談した結果、撮影中は、何とかパニック障害の初期症状で済んだよ」
引退説について聞くと「『ブリジット・ジョーンズ3』は止まっているけど、いくつか考えているプロジェクトはある。あとは資金を調達し、最後は僕がかっさらっていこうと思ってね(笑)」とまたも笑いを誘いつつも断言。ほかのスターでは代え難い魅力のヒュー・グラントには、ぜひ障害を克服し、映画に出演し続けてほしいものだ。(取材・文/斉藤博昭)