ひそかに話題の森林セラピーって?癒やしを感じる映画『ユキとニナ』
森ガール、登山ブームなど、森の持つ癒やしの力への関心が高まる中、「森林浴」から一歩進んだ「森林セラピー」が流行の兆しをみせており、その効果を実感できる映像作品として、日仏合作映画『ユキとニナ』に注目が集まっている。
ヨーロッパでは、精霊が宿る聖地としてさまざまな伝説が残り、日本でも古くから神の住む場所としてあがめられてきた森。映画『ユキとニナ』は、そんな森を舞台に、心に傷を負った少女の癒やしと再生を感動的に描いた物語だ。ここ数年、まるで森にいそうなゆるいファッションを好む森ガールがブームとなっているが、本作のヒロインのユキと親友のニナが森をさまよう姿は、まさにフランス版の森ガール。二人が緑の中で癒やされていく様子を見て、森でリラックスしたくなってしまう人も多いはず。最近、登山や森林浴が手軽なストレス解消法として人気だが、本作の日本公開とともに、森の癒やし効果への注目度がますます高まりそうだ。
また、森をキーワードとした新たなムーブメントとして「森林セラピー」も話題を集めている。森林セラピーとは、自然が織り成す風景や、香り、音、肌触りなど、森に息づく癒やしの要素を科学的に解明し、心と身体の健康に役立てようというもの。最近では、複数の企業や大学医学部、森林総合研究所によって、森林セラピーの研究プロジェクトが進められているという。この森林セラピーのポイントは、森の中や周辺で、耳や目、鼻、手足、味覚などの五感のアンテナを研ぎ澄まし、自然の中で「人間が本来あるべき場所にいる」という心地よさを全身で感じること。現在は、全国の観光地や自治体を中心に、様々な森林セラピーのイベントが行われているが、実際に参加することができないときは、森の神秘性に焦点を当てた映像作品を観るだけでもセラピー効果を体感できるはずだ。
映画『ユキとニナ』も、森の癒やし効果がスクリーンいっぱいに広がる作品。両親の離婚問題でショックを受けた主人公の少女ユキは、親友のニナとともにパリ郊外の森に迷い込み、神秘的な体験をすることで新たな一歩を踏み出していく。本作の中で、森は日常や社会から隔離された特殊な空間として描かれ、ユキの心に大きな変化と癒やしを与えるのである。鮮やかな緑と木々のざわめき、そして、やわらかな光にあふれる本作で、森林セラピーの絶大な効果を味わってみてほしい。
映画『ユキとニナ』は1月23日より恵比寿ガーデンシネマほかにて全国順次公開