ベルリン映画祭フォーラム部門に多数の日本映画選出!ヨーロッパでは日本映画ブーム?
山田洋次監督の映画『おとうと』が第60回ベルリン国際映画祭のクロージングに決定したが、今年は例年になく日本映画の上映が多い。フォーラム部門上映作品も発表され、多数の日本映画が選出されたことがわかった。
時代を敏感に反映した作品を世に送り出してきたフォーラム部門も今年が40回目となる。この記念すべき年のメインの34本には、大森立嗣監督『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』、SABU監督『蟹工船』、石井裕也監督『川の底からこんにちは』の3本の日本映画のほか、日韓共同制作のドキュメンタリー映画、ヤン・ヨンヒ監督『ソナ、モウ ヒトリ ノ ワタシ』(原題)も選出された。
『おとうと』が映画祭のクロージングを飾ることが決定した山田洋次監督の『京都太秦恋物語(仮題)』、島津保次郎監督の『浅草の灯』『愛より愛へ』『婚約三羽烏』が特別上映されることも決定した。山田監督は、これまで6度ゲストとして同映画祭に参加、日本の名匠として知られている。『京都太秦恋物語(仮題)』は立命館大学と松竹の共同製作で、多数の学生が映画作りに参加することでも話題を呼んだ。島津監督は、世界的にはまだそれほど知られていないが、戦前の日本映画近代化の立役者として敬意を表しての上映ということだ。
また、トリを飾る『おとうと』に対し、オープニングも中国のワン・チュアンアン監督の『トアン・ユエン』(原題、英題はアパート・トゥゲザー)に決定し、アジア勢が大きく注目される還暦を迎えたベルリン国際映画祭だ。なお、すでにパノラマ部門には、中村義洋監督『ゴールデンスランバー』と行定勲監督『パレード』が選出されている。
ベルリン国際映画祭は、国際映画製作者連盟公認の国際映画祭でカンヌ国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭と並んで世界三大映画祭と言われている。
第60回ベルリン国際映画祭は、2月11日から21日まで開催予定。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)