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パクリ映画製作会社は大繁盛!『トランスモーファー』『紀元前1億年』!意外にも得意先は日本

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上の段が本物!下の段が……!
上の段が本物!下の段が……!

 アメリカと日本のビデオ屋さんに並ぶ冗談みたいなタイトル。映画『トランスフォーマー』をパクった『トランスモーファー』、映画『ダ・ヴィンチ・コード』ならぬ『ダ・ヴィンチ トレジャー』、そして映画『紀元前1万年』のそばに『紀元前1億年』! 何じゃ、こりゃ!?……実はこれすべて、有名作品のパクリを得意とするB級映画専門の製作会社の作品。この会社、不況のなか大繁盛している。

不況のなかでケラケラ笑う!パクリ映画専門製作会社-こはたあつこのうわさの現場潜入ルポ

 1997年に設立されたこの会社、もともとインディーズ系のアート作品やホラー作品を製作していた。ところが、2005年に、方針が大きく変わる。当時、社長のデヴィッドは、H・G・ウェルズ原作の「宇宙戦争」の映画化を試みていたが、たまたまスティーヴン・スピルバーグも 同じことをしていると聞き、「こりゃ、勝ち目がない」とやめることに。ところが、アメリカの大手レンタルビデオチェーンのブロックバスター社が「逆に、ぜひ作ってくれ」と後押しした。「さすがだ。二匹目のドジョウは売れると見込んだんだね」とデヴィッド。結果、ブロックバスター社はアサイラム版の『宇宙戦争』を、アサイラム社としては前代未聞の本数で購入することに。それ以降、会社の方針を大きく変え、恥も外聞もなくパクリ路線をまっしぐら!

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 その製作過程だが、まずは大手映画会社が製作している作品のうわさをインターネットなどで調べる。どうやらマイケル・ベイ監 督がトランスフォーマーというタイトルで、機械がロボットに変身する映画を作っているようだ、と。その情報を基に、アサイラム社はオリジナルの脚本を書 く。別にベイ監督の脚本を盗むわけではない。そして、マイケル・ベイ監督の映画『トランスフォーマー』が公開される2日前にビデオでアサイラム社版をリ リースする。デヴィッドいわく、「タイトルは、『ロボット・ウォーズ』でも良かったが、『トランスモーファー』の方が売れると思ってね」とにやり。

 でも、そんなタイトルをつけて、大手映画会社から訴えられないんだろうか? 「今まで訴訟で負けたことは一度もない」と、デヴィッド。「実は、『地球が静止した日』を製作したとき、映画会社ではなく『地球が静止する日』のプロデューサーから苦情の手紙が届いた。『訴えるぞ!』と、強い口調で書かれてあったから、負けない口調で反撃した。大手映画会社だって同じようなこと を合法的にやっているじゃないかとね。いろいろ例を挙げてやったら、相手もびびってね」とデヴィッド。「アサイラム社は何でも派手にやる。戦って変に注目 を浴びて損するのは相手なんだ」と教えてくれた。この会社、配給会社出身で共同経営者のデヴィッド・リマゥイーなどがビジネス面や法律面をがっちり固めて いるので、敵に回したら怖いかも!?

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 ところで、聞いてびっくり。アサイラム社の海外での一番の得意先は日本だそうだ。収益の半分は海外からというからその比重も大きい。そして、見せてくれたのが、日本語版DVD『メガ・シャークVSジャイアント・オクトパス』だ。巨大なサメとタコが絡み合っているジャケットは、「さすがアメリカのB級映画」 と、吹き出しそうになる。ところが、何と驚き! 実はこの作品、長年のお得意先である日本の配給元ニューセレクト社(アルバトロス・レーベル)がストーリーを発案したそうだ! え、アメリカ人じゃなかったのー? うーん、B級映画も逆輸入の時代だ。(取材・文:こはたあつこ/Atsuko Kohata )

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