日活ロマンポルノ第1作女優・白川和子、22年ぶりに復活した同名作に感慨深げ
19日、渋谷ユーロスペースで映画『団地妻 昼下がりの情事』のトークショーが行われ、中原俊監督と、女優の白川和子が登場した。
中原監督といえば、1982年に日活ロマンポルノの映画『犯され志願』で監督デビュー以来、映画『3年目の浮気』(森田芳光脚本)、『イヴちゃんの花びら』といった秀作を続々と発表。一般映画に進出後も、映画『櫻の園』など、叙情的な女性描写を得意とする職人監督として高い評価を受けてきた。対する白川は、1971年の日活ロマンポルノ第1作となる映画『団地妻 昼下がりの情事』に主演。日活ロマンポルノの女王として知られる黎明(れいめい)期の名女優である。日活ロマンポルノを語る上で欠かせない二人のトークショーとあって、会場は超満員だった。
オリジナル版に主演した白川は本作について「本当にすてきな作品で悔しい(笑)」と絶賛していたが、あえぎ声だけは負けないと自負していた。「酸欠になるくらいだったのよ。仕方ないから、友達が経営しているラブホテルに入って、コップ片手に隣の部屋のカップルの声を聞いて勉強したんですよ。のべつまくなしに声を出すんじゃなく、女の人はもっとこらえるのよね」と語るなど、往年のファンを喜ばせた色っぽいあえぎ声の裏側を明かした。還暦を越えていまだ色気のある白川だが、最後にメッセージを求められると、「男性がんばれ。みんな肉食系になった方がいいですよ。もっと男性が人生を謳歌して、おれについてこいという感じになるといいわね。この映画を観てがんばってください」と世の男性陣にエールを送っていた。
本作は、日活ロマンポルノの金字塔としてシリーズの幕開けを宣言した1971年の同名作を22年ぶりに復活させた「ロマンポルノ・RETURNS」シリーズの第1弾。夫との関係が冷めた人妻・清香(高尾祥子)が、閉塞的な団地での生活を送る中で、浄水器販売のセールスマン哲平(三浦誠己)に出会い、情愛におぼれる姿を官能的に描き出している。「10分に1回のカラミを描く」というロマンポルノの伝統に従って、大胆な濡れ場を惜しげもなく披露した高尾の“艶技”にも注目だ。
映画『団地妻 昼下がりの情事』は渋谷ユーロスペースで公開中