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若松孝二監督、銀の熊をにぎりしめ「寺島しのぶはプロです」と称賛

第60回ベルリン国際映画祭

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銀の熊をにぎりしめる若松孝二監督
銀の熊をにぎりしめる若松孝二監督 - Photo:Yukari Yamaguchi

 現地時間2月20日夜、第60回ベルリン国際映画祭で、金熊賞、銀熊賞など主だった賞の受賞者が発表されるアワードセレモニーが開催された。セレモニー終了後、受賞者たちが会見を行った。

 アワードセレモニーに一番最初に登場した受賞者は、特別功労賞であるベルリナーレ・カメラを受賞した山田洋次監督だった。市川崑監督に捧げた『おとうと』をひっさげて参加している山田監督は、その市川監督が過去に受賞したのと同じ賞をもらうことに対し、「天国の市川監督にお礼を言いたい」とスピーチ。会場には、それを感慨深げに聞く『おとうと』の主演、吉永小百合の姿も。

 これだけでも日本の映画ファンの胸を熱くさせるには十分だが、さらなる驚きが待っていた。6つの銀熊賞のうちの一つである女優賞の受賞者として読み上げられた名前は、『キャタピラー』の寺島しのぶ! 残念ながら、大阪で舞台があるため、セレモニーに参加することができなかった寺島に代わり、若松孝二監督が、記念すべき第60回での受賞の喜びと、戦争反対を訴える寺島からのメッセージを読み上げた。
 
 会見にも、若松監督が銀熊賞トロフィーを手に現れた。四肢を失い、顔にも火傷を負って戦場から戻る久蔵(大西信満)に、時に恐ろしいほどの怨念をぶつける妻シゲ子を演じた寺島を、「つまらない映画を作ると、悪く言われるのは監督と俳優だ。寺島はそれをよくわきまえているプロだ」「だいたい1回のテイクで済んだ」とプロフェッショナルな仕事振りを称えた。

 ベルリンで賛否両論を巻き起こした『キャタピラー』だが、この受賞が追い風となって、より多くの人に作品のメッセージが届くことを期待したい。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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