チーム全員ホームレス!毎年開催されているサッカー世界大会に日本のチームも参加
ドキュメンタリー映画『ホームレス・ワールドカップ』では、知られざるホームレスによるサッカー世界大会の裏側が描かれている。
ホームレス・ワールドカップは2003年から毎年開催されており、選手は全員ホームレスで行われるミニサッカーの世界大会のこと。貧富や年齢、人種にとらわれることなくできるサッカーを通して、人々が世界に共通する貧困という問題や人間の可能性について考え、貧困状態の人々が希望を感じるきっかけを作るために生まれた大会だ。
2010年、ブラジルのリオで第8回を迎える大会は、NIKEやUEFA(欧州サッカー連盟)がオフィシャルスポンサーとなっているほか、世界的に有名なサッカーチームのマンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリードも支援している。日本代表も2004年のイェーテボリ大会(スウェーデン)から参加しており、2009年には野武士ジャパンの名で2度目の参加を果たし、その活躍はテレビ番組で紹介されるなどして話題になった。
これらの活動からプロやセミプロのサッカー選手やコーチになった人たちもいる。日本の代表メンバーは、ホームレスの自立を支援する団体NPO法人ビッグイシュー基金のサポートを受け、イェーテボリ大会に出場した8人の内7人が、ビッグイシュー販売の仕事から住居を得て新しい仕事についている。
『ホームレス・ワールドカップ』は、2006年にケープタウンで開催された大会に出場した、7人の選手たちの姿を追ったドキュメンタリー。スラム街や麻薬依存症患者更正施設出身者など、さまざまな問題を抱えながらピッチに立った彼らが、大会に出場することを人生を切り開いていく姿を描く。クラブ・スポルト・マリティモに所属するプロサッカー選手の相馬崇人が、本作を鑑賞し「勝利より大切なものがある。サッカーは人を幸せにする最高のスポーツだと改めて実感しました」とコメントするなど、サッカー愛から人間愛まで感じることができる感動作だ。
映画『ホームレス・ワールドカップ』は5月8日よりライズXほかにて全国公開