『愛を読むひと』のスティーヴン・ダルドリー、同時多発テロを題材にした映画を監督
映画『リトル・ダンサー』『めぐりあう時間たち』『愛を読むひと』と3作連続で、アカデミー賞の監督賞候補になったスティーヴン・ダルドリー監督が、2001年に起きた911の同時多発テロを描いたベストセラー小説「Extremely Loud and Incredibly Close」(原題)を映画化することになった。
同作は、米文学界で話題の若手作家ジョナサン・サフラン・フォアが、2005年に発表した作品で、911の同時多発テロで父親を失ったニューヨークに住む9歳の少年オスカーが、父親が残した謎の鍵に合う錠を探し当てようと、市内を探索し始めるストーリーだ。脚本は、映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』や『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の原案を手掛けたエリック・ロスが執筆し、製作は『ノーカントリー』や『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のスコット・ルーディンが担当する。ダルドリー監督とは『めぐりあう時間たち』以来、再びタッグを組むことになる。
キャスティングについては今のところ未定だが、『リトル・ダンサー』ではジェイミー・ベル、『愛を読むひと』などでデビット・クロスと素晴らしい演技派の少年たちを発掘してきたダルドリー監督。今回の主役の配役にも注目が集まりそうだ。ちなみに、ダルドリー監督は、これまで10年間で3作しかメガホンを取っていないが、『愛を読むひと』でのインタビューの際には、ドイツに住む原作者のベルンハルト・シュリンクを脚本家のデビッド・ヘアと共に訪れ、原作に記されていた土地をすべて研究して回るほどの徹底的なリサーチをした徹底ぶりで今回も時間を掛けて製作に臨むことになりそうだ。(文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)