西河克己監督死去 10年近く闘病 娘さんが「しかられたことは一度もありませんでした」と人柄明かす
6日午前4時40分、映画監督の西河克己さんが、10年近くにおよぶ闘病生活の末、肺炎で亡くなった。91歳だった。
西河監督は、青春スター吉永小百合の売り出しに貢献した人物。その主題歌が有名となった映画『青い山脈』のほか、『伊豆の踊子』『エデンの海』などで手堅い演出を見せた。また、数多くの山口百恵、三浦友和コンビ作も手掛けていて、映画での百恵ブームづくりにも一役買った。このコンビで『伊豆の踊子』、山口百恵主演で『エデンの海』を再映画化したが、監督本人が「再映画化作品を撮った本数では、世界記録保持者だろう」と雑誌に書いたこともあったほどで、代表作には再映画化作品が多いというのも珍しい。
喪主を務める娘の西河ゆあみさんは、西河監督が生前、自身を「芸術家というより職人だ」と言っていたと明かしてくれた。また、「静かな人で、しかられたことは一度もありませんでした。何があっても仕事に行って、撮影をしているような仕事熱心な人でしたが、家では仕事の話をすることはありませんでした。でも、いつも人に楽しんでもらえるものを作るということを考えていました」と監督の人柄についても語ってくれ、「父の作品を愛してくださった方々、本当にありがとうございました」とコメントしてくれた。
西河監督の葬儀、告別式は7日に近親者のみで行われたが、後日、日活時代の有志たちによって「しのぶ会」が行われる予定。