ケータイ電子書籍で読み直したいマンガは「スラムダンク」!電子書籍の未来は?
iPadが発売されるなど、いよいよ電子書籍も普及の兆しを見せているが、インターネットを活用して新しい生命保険サービスを提供するライフネット生命保険株式会社が2010年2月26日から3月1日の4日間、「電子書籍に関する調査」をモバイルリサーチで実施した。対象としたのは、全国の25歳から44歳の男女で、1,000名の有効回答を得た。
その結果、これまでに電子書籍を「利用したことがある」と回答したのは54.4%、その中で、「有料で利用したことがある」人は16.2%という結果になった。また、利用したことのある544名に、利用した端末を複数回答形式で聞いたところ、トップは「携帯電話」で90.6%となり、9割以上がケータイから電子書籍を利用していることがわかった。
閲覧した電子書籍のジャンルについては、「コミック」76.8%、「文芸書・小説」44.3%、「アニメ・ゲーム」18.0%の順となり、電子書籍市場において「コミック」の占める割合の大きさをうかがわせた。また、書籍の各ジャンルについて、本と電子書籍のどちらで読みたいかと質問したところ、「本で読みたい」ジャンルは「文芸書・小説(80.0%)」、「雑誌(73.8%)」、「電子書籍で読みたい」ジャンルは「アニメ・ゲーム(33.9%)」、「コミック(24.5%)」という結果になった。
そこで、ケータイ電子書籍で読み直したい漫画・アニメを複数回答形式で尋ねると、1位「スラムダンク」(29.0%)、2位「ドラゴンボール」または「ドラゴンボールZ」(26.3%)、3位「タッチ」(22.7%)というランキングになった。これを男女別に見ると、男性トップは「ドラゴンボール」または「ドラゴンボールZ」(34.4%)、2位「スラムダンク」(28.8%)、3位「北斗の拳」(27.2%)、女性トップは「花より男子」(38.6%)、2位「スラムダンク」(29.2%)、3位「ガラスの仮面」(28.2%)で、「スラムダンク」が男女共に高い支持を得ていることを再確認できる結果となった。また総合3位の「タッチ」は、35歳から44歳の男女に圧倒的な支持を受けたことがそのランクインにつながった。
また、電子書籍の今後の利用意向については、「利用したい」37.2%、「利用したくない」30.5%と、五分五分の結果になった。電子書籍を「利用したい」理由について、複数回答形式で尋ねると、トップは「保管場所をとらない」82.8%、次いで「読みたい作品がすぐに手に入る」56.2%、「多くの本を持ち運びできる」52.7%、「書籍の検索がしやすい」49.2%の順に。一方、電子書籍を「利用したくない」理由としては、「開きたいページや読み返したいページをすぐに開けない」43.0%、「専用の端末を買わなければならない」38.0%、「端末のバッテリーが気になる」33.1%「紙の質感がない」31.8%の順となった。
しかし、読書頻度が週一冊以上の人を対象とすると回答が異なり、電子書籍を「利用したい」理由でトップとなったのは、「読みたい作品がすぐ手に入る」の67.0%で、「書籍の検索がしやすい」59.8%、「在庫切れがない」52.6%と続いた。また「利用したくない」理由は、「紙の質感がない」52.9%、「専用の端末を買わなければならない」50.0%、「コレクションができない」44.1%、「読みたい本が電子書籍化されていない」26.5%という結果に。
同リサーチでは、アップル社の「iPad」、Amazon.comの「Kindle」、それぞれの端末ごとに読んでみたいジャンルも調査。「雑誌」「コミック」なら「iPad」、「文芸書・小説」ならKindleという結果が出たが、愛読家たちがこだわる「紙の質感」はどうしても出すことのできない電子書籍……。より多くの本の電子書籍化を進め、「読みたい作品がすぐ手に入る」状況を充実させていけるかどうかが今後の鍵になりそうだ(電子書籍に関する調査結果はライフネット生命調べ)。