究極女性美!グラビア界の巨匠・野村誠一が初監督!美の表現にスチール、ムービーの区別なし!
宮沢りえ、南野陽子、石田ゆり子、中森明菜、矢田亜希子、ピンクレディーと名だたる女性たちの写真を撮り続け てきた野村誠一が、女性同士の恋愛を描いた映画『ナチュラルウーマン2010』で初監督に挑戦した。写真家でありながらなぜ今回、動画(ムービー)に 挑戦しようと思ったのだろうか? 野村監督に話を聞いてみた。
野村監督は、実はかなりの映画好きで、「昔から映画をたくさん観ていた し、映画監督になりたい、という思いはあった」と意外な答えが返ってきた。しかし、その思いの延長線上に、写真家になったきっかけがあるという。「ムー ビー、スチール、と区別するのではなく、スチールが動いているのがムービーであり、動いていても人間の脳裏に残像として定着するのはスチールだと思う。つ まり、ムービーの中にスチールの美しさや鮮烈さが存在するのだと考えている」とグラビア界の巨匠らしい映像哲学を語ってくれた。
今回、野村監督が手掛けたのは、1994年に一度映画化もされている、松浦理英子の小説「ナチュラル・ウーマン」の再映画化だ。女性同士が絡むベッドシーンもある本作では、女性の美を撮り続けてきた写真家・野村誠一の腕も鳴ったはず。
しかし意外なことに、数多くの女性たちの美を引き出してきた野村監督にも、女性の美の定義において明確なものはないという。それでも野村監督が今、一番美 しいと思うのは、日本の女性だと、日本女性にとってはうれしい発言をしてくれた。「例えば西洋の女性は、写真に撮られたときの表情にこびが感じられない。 大抵いつも堂々としていて、表情に自己主張の強さが現われている。それはそれで美しいのだけど、最近、日本人女性特有の奥ゆかしさや、礼儀正しさ、恥じら いなどの内面が表情に現われているところが、日本の女性の美しさだと感じている。このような日本女性性は、現代社会で忘れられつつあったけれど、このとこ ろの時代劇ブームなどで、再び日本独自の女性性が見直されていくのではないかと思う」と野村監督だからこその深みのある言葉で語ってくれた。
本作でも、女性同士の恋愛という、今の日本にとってはまだまだ大胆ととらえられるであろう設定の中に、野村監督の言う日本女性特有の美が描かれているのだ ろうか? これまたグラビア界の巨匠、サンズエンタテインメントの野田義治社長が見出した期待の大型新人としてデビューした亜矢乃の美 を、どこまで野村監督が引き出したのか、その手腕に注目したい作品だ。
なお、24日には野村監督のトークイベントが開催され、主演の亜矢乃のほかに元パリコレモデルで写真家としても有名な安珠も出演予定となっている。
映画『ナチュラルウーマン2010』はシアター・イメージフォーラムにて公開中