ついにネットで世界中からアクセス可能に!第9回トライベッカ映画祭幕開け!
911の復興を目指して始まったトライベッカ映画祭も今年で9年目を迎え、開催記者会見が4月20日(現地時間)、ニューヨークで行われた。
同映画祭の主催者の一人、ジェーン・ローゼンタールは「あくまで911後のニューヨークの復興という使命を忠実に果たしながら、今年の映画祭は、新たな手法で映画関係者や観客を呼び込もうと思っています。その一つに、トライベッカ・フィルム・フェスティバル・バーチアルがあります」と語った。
これは、トライベッカ映画祭のサイトにあるトライベッカ・フィルム・フェスティバル・バーチアルで、プレミアム・パスを45ドル(約4,050円)で購入すると、出展されている8つの長編作品と18の短編作品が鑑賞できる以外に、プレミアが行われるレッドカーペットや俳優・監督たちが繰り広げるパネル・ディスカッションも鑑賞することができるというもの。つまり、ニューヨークを訪れずにインターネットでトライベッカ映画祭を楽しめる仕組みになっている。このほかに、ビデオ・オン・デマンドでは、出展されている7作品が同映画祭の開催中に放映されることにもなっている。(1ドル90円計算)
もう一人の主催者で俳優のロバート・デ・ニーロは、「毎年、同映画祭が発展し続けていることは、本当に素晴らしいことだと思っている。これまで携わってきたスタッフや、観客として参加してくれた人々に、心から感謝している。わたし自身も、既に何作もの優れたドキュメンタリー作品を観ていて、こういう作品が観客にどう評価されるのか楽しみだ」と述べた。
最後に、同映画祭で3作品を出展しているアカデミー賞受賞監督アレックス・ギブニー監督は「この映画祭のラインアップを見ていると、出展していることを忘れ、ただこの作品群を観ていたいと思ってしまう。わたしは過去にこの映画祭で、個人的な体験をさせてもらった。それは、映画『「闇」へ』をこの映画祭に出展し、幸いにも最優秀ドキュメンタリー作品に選考されたおかげで、人々に認識され、最終的にアカデミー賞も受賞することができた。わたし自身、映画祭のもたらす影響というものに感謝することになった」と個人的な体験を話してくれた。
同映画祭は今年、38か国から出展され、85の長編作品と47の短編作品が選考されている。チケットは8ドル(約720円)で購入でき、4月21日から5月2日まで開催される。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)