コリン・ファレル、恋人アリシア・バックレーダの初対面の印象は?
映画『アレキサンダー』や『マイアミ・バイス』などでおなじみの若手俳優コリン・ファレルが、同じアイルランド出身のニール・ジョーダン監督と初めてタッグを組んだ新作『オンディーヌ / Ondine』(原題)について語ってくれた。
本作は、アイルランドで漁師をするシラキュース(コリン・ファレル)が、漁網の中に女性(アリシア・バックレーダ)を発見するというストーリー。コリン・ファレルとアリシア・バックレーダが、この映画の共演を期に交際を始めたことでも話題になった。
ニールが監督として、同じアイルランド出身のコリンを主演に起用してこなかったのは意外だが、「私が製作した映画『ダブリン上等!』でコリンと共に仕事をしてから、5、6年の間ずっと一緒に仕事しないか? と声を掛けてきたんだ」とニールにはその意思があったことを明かした。その計画を阻んだのはハリウッドの脚本家のストライキだったそうだ。ニールは「それで製作予定だった企画が数本だめになったよ」と話し、「思い切ってアイルランドを舞台に、急きょ執筆したのがこの作品になったんだ。もともと脚本は、漁網に引っ掛かっていた女性を助け出す男のイメージから書き始めたシンプルものだけど、ロマンティックな話ができたと思っているよ」と思いがけないトラブルが功を奏したことを教えてくれた。
本作では、シラキュースの娘役を演じたアリソン・バリーが、初の映画作品にもかかわらず、かなり印象深い演技をしている。ニールは子役のキャスティングについて、「いつも自分の中にルールがあって、それまで俳優経験のなかった子や、映画にも出演したことのない子を必ずキャスティングしてきたんだ。もっとも、映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』で、子役経験のあったキルスティン・ダンストを配役してしまって、そのルールを破ったことがあったけれどね(笑)」と意外なルールを明かしてくれた。そして、「今回の子役は、ただ自然にかわいい感じに演じられたらいいというわけではなく、ものすごくセリフが多く、はっきり言ってもらわなきゃいけないから、経験のある子役じゃなきゃむずかしいかとも思ったんだ」と本作でもそのルールを破ることを考えたらしいが、ほとんど経験のないアリソンが、オーディションの読み合わせで、完璧にそれをこなし、ルールは守られたらしい。
コリン・ファレルは、自身の演じたシラキュースについて、「シラキュースはアル中だった過去を持ち、結婚にも失敗し、娘は慢性の腎不全を患っていて、かなり困難な生活を送ってきているキャラクターなんだ。それでも、そんな彼を全く同情させるようなシーンが脚本にはないところが、気に入っているんだ」と明かしてくれた。実際、この役にのめり込みすぎて、しばらく抜け出すことができなかったそうだ。
この映画での共演がきっかけで結ばれたコリンとアリシアが初めて出会ったのは、この映画のミーティングだったそうだ。コリンはまず、「あのときはずいぶん長い間ミーティングをしていて、ビスケットしか食べていなかったんだよ。だからすごく腹が減っていたのを覚えているよ(笑)」と色気より食い気だったと笑いを誘った。しかし、「彼女の印象はチャーミングで賢そうだなぁと思ったよ。それに、僕は彼女の映画『トレード / Trade』(原題)の大ファンだったんだ」としっかり彼女の魅力も教えてくれた。
コリンとニールは、また機会があったら共に仕事がしたいと話した。この映画は、アイルランド出身の監督と俳優のコンビだけでなく、映画『リミッツ・オブ・コントロール』の撮影を担当した撮影監督クリストファー・ドイルによって撮影された映像にも注目して観てもらいたい作品だ。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)