ハリウッドを代表する名バイプレーヤーのオリヴァー・プラットを直撃!女性の敵を熱演!
ハリウッドの名バイプレーヤーとして数々の話題作に出演してきたオリヴァー・プラットが、Tribeca Film Festival(トライベッカ映画祭)に出展している『プリーズ・ギブ / Please Give』(原題)について語ってくれた。
本作は、マンハッタンでトレンディーな家具を販売しているケイト(キャサリン・キーナー)が主人公。物事を考え過ぎて問題を抱えてしまう彼女の周りには、高額なものばかり欲しがるニキビに悩む娘、悩み事を相談できない夫、高齢でわがままなお婆ちゃんの隣人。トラブルだらけの周囲に、彼女なりの対処方法を考えていくという作品。ほとんど女性だけのキャストの中で、オリヴァーはキャサリン・キーナーの夫役アレックスを演じている。
この映画の監督は、4年前にサンダンス映画祭のオープニング作品『セックス・アンド・マネー』(未公開)を制作した注目の女流監督ニコール・ホロフセナーだ。オリヴァーは「彼女は、脚本が素晴らしい上に、クリエイターとしてすごく芯が強いんだ。彼女と仕事をしていると、引き込まれていく感じがするよ」とホロフセナー監督を絶賛。俳優たちのアイデアもしっかり聞いてくれたという彼女について、「僕の役アレックスは彼女にとって大嫌いなタイプの人物らしいけれどね(笑)」と笑いを誘いつつ、良い友人関係を築けたことを明かしてくれた。
そんな監督も大嫌いなアレックスとは、「妻を愛していて、それなりに良い結婚生活を送っているが、40代になって不倫をしてしまう」という役柄らしい。オリヴァーは、「彼は、自分で不倫できてしまったことに驚き、あくまで悪気はないと自分に言い聞かせ、決して妻に謝ったりしないんだよ。悪いやつだろ!」 と自身も嫌なやつだと自覚して演じていたようだ。
オリヴァーは、本作の舞台であるニューヨークについて、「ニューヨークは人と人とが重なり合っている感じがする街で、文化と文化も入り交じっているから気に入っているんだ」と話した。また「先日、チャイナタウンで食事をした後、ちょっと2、3ブロック歩いたら、すでに違った文化の建物やレストランに遭遇していたんだ。こんな環境は、ニューヨークでしか味わえない。それに、億万長者の住むマンションの下で、ホームレスが寝ていたりするのも、ニューヨーク特有のものだと思う」とニューヨークへの彼のイメージを実感したことも明かした。
小さいころよく引っ越しをし、海外に住んでいたというオリヴァーは日本に住んでいたこともあるそう。次回作は「また、キャサリン・キーナーと共演する『ジ・オレンジズ / The Oranges』(原題)と、テレビシリーズでローラ・リニーと共演する「ザ・ビッグ・シー / The Big C」(原題)があるんだ」と教えてくれた。いつもインパクトのある演技で強い印象を残してくれる演技派、オリヴァーに今後も期待したい。(取材・文:細木信宏 Nobuhiro Hosoki)