週末だけで100億超えの驚異的大ヒット!『アイアンマン2』が全米ナンバーワンに! -5月10日版
全米ボックスオフィス考
ヒットは確実と見られていたものの、週末の興行収入だけで1億2,812万ドル(約115億3,080万円)という驚異的な額をたたき出して期待作映画『アイアンマン2』が全米映画ナンバーワンの栄冠に輝いた。(1ドル90円計算)
夏の大作シーズンの先陣を切って公開されたこの作品は、前作の映画『アイアンマン』が記録した封切り直後の週末興行収入9,862万ドル(約88億7,580万円)を3,000万ドル(約27億円)近くも上回る大ヒットを記録。歴代の週末ボックスオフィスの記録上でも、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』の1億3,560万ドル(約122億400万円)に次いで第5位になるなど、とにかく大健闘。
上映館4,380・推定1万スクリーンという異例の規模で公開された『アイアンマン2』は、現時点ですでに2010年度の興行収入トータル・ランキングでも第4位に食い込んできており、今後どこまで上昇するかが注目される。配給会社パラマウント・ピクチャーズの観客調査によると、映画を観に来ていた60パーセントが男性、そして全体の60パーセントは25歳以上の観客であったという結果が出ている。また、今回は第1位と第2位以下の興行成績の差が非常に大きくなっており、ボックスオフィス統計のうち、何と70パーセントが『アイアンマン2』からの興行収入だという。
そんな『アイアンマン2』に押し出される形で、先週の第1位からワンランクダウンしてしまったのは、リメイク版映画『エルム街の悪夢』で912万ドル(約8億2,080万円)の成績。封切りから2週目の週末にホラー映画が陥りがちな大落下現象で、先週と比べると72.3パーセントの収入減となってしまった。
今週の第3位は、まだまだエネルギーが十分残っている感じの映画『ヒックとドラゴン』で668万ドル(約6億120万円)の成績。『アイアンマン2』に、かなりの数のIMAX上映館を持っていかれてしまったことが後退の要因となっているものの、封切り後かなり時間が経過しているにもかかわらず、先週と比べて37.1パーセントの降下率にとどめたのは見上げたものである。
第4位は、こちらもワンランクダウンした映画『デートナイト』(原題)で545万ドル(約4億9,050万円)。今回のスティーヴ・カレル主演のコメディー映画はなかなかの殊勲賞もので、先週と比較するとたったの28.1パーセントの降下率。封切り後31日目にして8,100万ドル(約72億9,000万円)の総合売り上げをたたき出している。
トップ5の最後を飾るのは、映画『ザ・バックアップ・プラン』(原題)の503万ドル(約4億5,270万円)。封切り後17日間で3,010万ドル(約27億900万円)の興行収入を上げている。
次回のランキングで上位入りが予想される封切り作品のご紹介だが、今週末一番の目玉はラッセル・クロウ主演のアクション大作映画『ロビン・フッド』(原題)であろう。ラッセルと本作の監督リドリー・スコットは、映画『グラディエイター』以来の仲だが、今回のコラボは映画『ワールド・オブ・ライズ』以来。ロビン・フッド恋のお相手マリアン役にケイト・ブランシェット、そのほかにもマックス・フォン・シドー、ウィリアム・ハートら名優が脇を固めている。
次の上位候補はロマンス映画『レターズ・トゥ・ジュリエット』(原題)。2008年『マンマ・ミーア!』に出演した若手女優アマンダ・セイフライドが主演。『ロビン・フッド』(原題)や『アイアンマン2』は抜けないにしても、アクション系映画に興味のない女性陣がこの映画に集まる可能性が考えられる。
最後の話題作は、トップ5入りは微妙だが、クイーン・ラティファ主演のこちらもロマンスもので、映画『ジャスト・ライト』(原題)。故障中のプロ・バスケ選手のリハビリを担当することになったクイーン演じる主役の女性と、そのバスケ選手が恋に落ちていく様子を描いたラブロマンスもの。こちらも『レターズ・トゥ・ジュリエット』(原題)と同様の観客層が予想される。(文・取材: 神津明美/Akemi Kohzu)