マイケル・ダグラスを直撃!逮捕された息子、父親カーク・ダグラス、次回作『ウォール・ストリート』について語る!
映画『ウォール街』でアカデミー主演男優賞を受賞した名優マイケル・ダグラスが、新作映画『ソリタリー・マン / Solitary Man』(原題)のインタビューで、父親のカーク・ダグラスについて、息子のキャメロン・ダグラスについて、次回作『ウォール・ストリート』についてと盛りだくさんに語ってくれた。
映画『ソリタリー・マン / Solitary Man』は、何でも強引に手に入れてきた男、自動車王のベン(マイケル・ダグラス)が、付き合っていた女性の娘に手を出し、それが原因で私生活とビジネスで、つまずき始める……というストーリー。ベンの彼女役にメアリー=ルイーズ・パーカー、前妻役にスーザン・サランドン、昔の友人役にダニー・デヴィートが出演している。監督は、ブライアン・コッペルマンとデヴィッド・レヴィーンで、この二人は映画『ラウンダーズ』や『オーシャンズ13』を共同執筆してきた。
わが道を生きる主人公ベン役を演じたマイケルは、出演を決める際には、自分の役を気にしないタイプだと教えてくれた。「演技のアプローチをするのに重要なのは、良い脚本に出会うこと」それだけだそうだ。本作も、「予測できない展開が面白いんだ。こういうとき、俳優は脚本に任せて演じるだけでいいんだよ!」と脚本にほれ込んで、出演を決めたことを明かした。
またマイケルは、2時間この映画の主人公と付き合っていく上で、冒頭のシーンが重要だと教えてくれた。そのシーンのおかげで、観客は劇中、傲慢(ごうまん)で自分勝手なベンにも同情してしまうことになるという。
昔の友人を演じたダニー・デヴィートとは、実際にも随分親しい間柄のようで、「ダニーと初めて出会ったのは1967年で、その2年後にはルームメイトになっていた。それから、彼とはもう何度も共演しているんだよ」と話した。彼との再共演について、「なぜ俳優が同じ俳優たちと共演したくなるかわかる気がしたよ。初めてのセットで面識のないスタッフやキャストと握手したりする中で、古い友人がいると落ち着くだろ? それは、お互いの役が無言のときでも、まるで会話をしているように感じさせてくれるほどだった」と彼の存在に感謝しているようだった。
マイケルの父親カーク・ダグラスも長年俳優として活躍してきたが、そんな彼から俳優として生き残るために学んだことは、スタミナと継続だそうだ。「父はアドバイスが好きで、よくアドバイスしてくれたが、一番印象に残っているのは、最善を尽くせ! それでも駄目なら駄目だ! ってね(笑)これがアドバイスと言えるかどうかわからないけど、それだけを今でも覚えているよ」と偉大な父親の言葉を教えてくれた。
マイケルの息子キャメロンは、昨年8月に販売目的でドラッグを所持していた容疑で逮捕されたが、「キャメロンが逮捕されてからだいぶ時間がたったが、今のところ彼は順調に更生しているようだ。最近、ようやくキャメロンの実刑判決が言い渡されて、以前よりは少し落ち着いた気がするよ。ただ、彼が出所してきたときは、よりマシな人物になっていてほしいね……」と言葉少なに話した。
マイケルの次回作は映画『ウォール街』の続編、『ウォール・ストリート』だが、再びゴードン・ゲッコー役に挑戦しようと思った理由は、「ちょうど良いタイミングだと思ったからだ。前作の設定から逆算して、この時期が良いと思った」からだそうだ。実際にオファーされたのは2007年で、脚本も気に入ったのだという。「前作も素晴らしかったが、前作は個人的にチャーリー・シーンの映画だと思っていて、僕は悪役を演じただけだと思っている。監督のオリヴァー(・ストーン)は、若手やベテランにかかわらず、いつも試してみようとする演出がすごいんだよ」と自信作の雰囲気を醸し出していた。(取材・文:細木信宏 Nobuhiro Hosoki)