ダリオ・アルジェントが3D映画版『ドラキュラ』を監督!娘アーシアも井上靖の小説の映画化で監督復帰
映画『サスペリア』『フェノミナ』で知られるダリオ・アルジェント監督が、3D映画として製作される映画『ドラキュラ』でメガホンを取ることが明らかになった。
これは、5月12日から開催されている第63回カンヌ国際映画祭で、フィルムエクスポート・グループ社が発表した声明を、映画サイトShock Till You Dropが伝えたもので、アルジェント監督の3D映画版『ドラキュラ』は、来年の1月から監督の母国イタリアで撮影が行われるとのこと。映画は、ブラム・ストーカーの古典「ドラキュラ」を忠実に映像化し、アルジェント監督が脚本も執筆し、ジョヴァンニ・パオルッチとロベルト・ジローラモがプロデュースする。
現在、ハリウッドでは、映画『トワイライト~初恋~』やテレビ「トゥルー・ブラッド/True Blood」の大ヒットで、吸血鬼映画が量産されている状況だ。イタリアンホラーの巨匠アルジェント監督が、3D映画版『ドラキュラ』で身の毛のよだつ本物の恐怖を、私たちに味わわせてくれることだろう。
そして、アルジェント監督の愛娘、アーシア・アルジェントが、2004年の映画『サラ、いつわりの祈り』から6年ぶりにディレクターズ・チェアへ戻ってくることが明らかになった。業界紙プロダクション・ウィークリー紙が伝えたところによると、アーシアが井上靖の短編小説「猟銃」を映画化する、『ア・ハンティング・ガン』(原題)でメガホンを取るとのこと。アーシアは、夫であるミシェル・シヴェッタと共に小説を脚色する。
小説「猟銃」は、井上が42歳(1949年)のときに発表したデビュー作品。本編は書簡形式をとっており、ある男の13年間にわたる不倫と、その裏に隠された真実を描いている。夫の不倫を知りつつ隠し通した妻、世間を一生だますことを誓った愛人、母の日記を読んで秘密を知ってしまった愛人の娘の3人が、主人公である男性への手紙を通して心情を明らかにしている。
同小説は、第22回芥川賞選考委員会で、同じ井上の小説「闘牛」(芥川賞受賞作品)と共に候補にあがり、井上の受賞は確定的だったものの、どちらの小説を受賞作品とするかで議論となった。また、同小説は五所平之助監督、佐分利信・山本富士子・岡田茉莉子主演で、1961年に映画化されている。2003年には、大竹しのぶが朗読し、NHKの「朗読紀行 にっぽんの名作」シリーズの一作として映像化されている。