フェイスブックを創業した青年演じるジャスティン・ティンバーレイク、SNSには懐疑的
メキシコのカンクンで、デヴィッド・フィンチャー監督の新作『ザ・ソーシャル・ネットワーク』(原題/全米10月、日本は2011年1月公開)の会見が開かれた。フィンチャー監督は出席できなかったが、メインキャストが登壇。 “恋多き男”として有名なジャスティン・ティンバーレイクも現れるとあって、会見場は熱気に包まれた。
この『ザ・ソーシャル・ネットワーク』は、世界中に広まったSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の「facebook」を19 歳で創業し、“ネット時代のビル・ゲイツ”と呼ばれた青年の物語。ジャスティンは、そのfacebookの初代社長で、「Napster(ナップスター)」という音楽ファイル共有サイトを創設したショーン・パーカーを演じている。Napsterは、音楽を製作する側と著作権の問題で争った過去もある。
「ミュージシャンの僕がこの役を演じるのは皮肉だよね。しかも僕自身は、SNSはチャリティーなんかで有効活用するべきで、ただ単に誰かとつながるために使うことに懐疑的なんだ。だって僕には電話で話したり、直接会ったりできる友だちがいるわけだし…」 こう冷静に語るジャスティンも、デヴィッド・フィンチャー監督の現場は予想外の驚きがあったという。
「デヴィッドは、とにかく妥協を許さない人。僕がこれまで会ったなかで最も頭のいい人でもある。彼はひとつのカットに対し、80テイクとか90テイクとか平気で撮るんだ。照明や小道具をほんの少し変えながら、完璧なビジュアルを追求する。だから僕らキャストは、一日の撮影が終わったら、ぐったり疲れ果てて爆睡する毎日だったよ(笑)」
ジャスティンのコメントに強く同意していたのは、共演者のアンドリュー・ガーフィールドで、彼は次期スパイダーマン役に決定した“時の人”。話題のキャストも含め、この『ザ・ソーシャル・ネットワーク』は完成度の高さが予想され、早くも次回のアカデミー賞に絡むのでは、という憶測が飛び交っている。(取材・文/斉藤博昭)