妻夫木聡×深津絵里『悪人』モントリオール世界映画祭にコンペ出品決定!
妻夫木聡、深津絵里が共演し、芥川賞作家・吉田修一の同名小説を映画化した映画『悪人』が、モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門に出品されることがわかった。今年のモントリオール世界映画祭は8月26日から9月6日まで行われ、『悪人』は、授賞式前日の9月5日にプレミア上映を予定しており、妻夫木はじめ、深津、李相日監督の現地入りも調整中だという。第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞し、日本中を歓喜の渦に巻き込んだ映画『おくりびと』が最高賞のグランプリを受賞したことで、アカデミー賞の行方を左右する映画祭とも言われている。
原作を読み、自ら熱望しての出演だったという妻夫木は、これまでのさわやかで誰からも愛される「善人」のイメージから一転、九州の片田舎に住む肉体労働者であり、孤独な殺人者、「悪人」役に挑戦している。今回のモントリオール世界映画祭出品については、「結果がどうであれ、『悪人』という作品が映画祭を通じてさらに多くの人に観てもらえることがとてもうれしく思います」と恐縮しつつも、「『悪人』は今の自分にできることは全てやったと思っています。それは、監督含めスタッフキャスト皆同じ気持ちだと思います。日本映画の底力を世界の人に感じてもらいたいです」と自信のコメントをしている。また、妻夫木演じる祐一と運命的な恋に落ち、共に逃避行を繰り広げるヒロインを演じた深津は、「『悪人』が国境を越えることになるなんて。とても大きな喜びを感じています。海外の方々にどのように受けとめていただけるのか、今から楽しみです。」と本作の公開を前に、胸を躍らせている様子だ。
本作でメガホンを取ったのは、33歳で2007年第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞、第80回キネマ旬報ベストテン・邦画第1位ほか、その年の数々の賞を総なめにし、米アカデミー賞最優秀外国語映画賞日本代表にも選出された映画『フラガール』の李相日監督。「この作品に注ぎ込んだ皆の情熱が、モントリオール映画祭という形で一つ報われることにこの上ない喜びを感じます。そして、妻夫木をはじめ、俳優たちが魅せる圧倒的な存在感が世界の人々を魅了する瞬間を心待ちにしています」と妻夫木以上の自信を見せている。
そのほか、本作をこれまでの作家生活の中での「代表作」と掲げている原作者の吉田修一が李監督と共同脚本を手掛け、映画音楽の巨匠・久石譲が抒情的に盛り上げた映画『悪人』。モントリオール世界映画祭では、これまで映画『おくりびと』のグランプリほか、映画『鉄道員(ぽっぽや)』で高倉健が主演男優賞、映画『誰も守ってくれない』で君塚良一が脚本賞、昨年は映画『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』で根岸吉太郎監督が監督賞を受賞しているが、これらの作品に続くことができるのか? 『悪人』は、公開を前にまた一つ話題を作ってくれそうだ。
映画『悪人』は9月11日より全国公開