ディカプリオ×渡辺謙に単独インタビュー!驚異の映像、CGを使わない主義で合成撮影ナシ
大ヒット中の映画『インセプション』で主人公コブを演じたレオナルド・ディカプリオと彼に仕事を依頼をする物語のキーマンとなる人物サイトーを演じた渡辺謙に来日時に話を聞いた。すると驚いたことにあれだけ斬新な映像にもかかわらず二人がブルースクリーンという、合成をするために撮影するブルーバックで撮影したことはただの一度もなかったということが明かされた。無重力のような浮遊シーンや爆発、雪崩(なだれ)はすべて“その場”で撮影したということになる。
映画がスペクタクルなものになればなるほど、ブルースクリーンという俳優を何もないスクリーンの前に立たせて撮影した後で、別撮りしたスペクタクルなシーンと合わせて映像を作り上げるのが映画の撮影では普通だ。しかし、この斬新な映像を見せてくれる『インセプション』では、ほとんどその手法をとらなかったというのは驚きでもある。
その驚きを渡辺謙にぶつけると「ブルースクリーンをまったく使わずに撮影したというのは、信じられないと思いますが、本当です。列車が突然突っ込んでくるシーンも、本当に撮影しているんです。ビックリするでしょ? だって、僕ら俳優が一番ビックリしたんだから!」とあっさり。
ディカプリオもその手法には驚いたらしい。「監督のクリストファー・ノーランは、ロケ撮影が好きな監督だから、CGを多用した現実味の乏しい環境での撮影は少なかったよ。雪崩を起こしたり爆発させたり毎日が驚きの連続だったけど、地に足が着いているので僕らは演じやすかった。クリスはSF映画の中に現実社会の要素を盛り込むんだ。SFであっても、完全に現実と切り離すことはしないんだ」と語った。
物語の中で部屋の中で無重力のようになるシーンがあるがあの場面でさえブルースクリーンは使用しなかったという。実際俳優には相当な負担があったはずだが、それは映画の上では決してマイナスなことではなかったという。渡辺はそのことについて「やっぱり実在の場所に行って、実際の空間を俳優に体験させていく。それをお客様にも届けるということがこの映画のある種のテーマでもあったので。世界6か国をロケーションしましたし、スタジオのセットも俳優たちが実際に体感できるセットを作って撮影したので、映像の中に反映されていると思います」とそれが臨場感を出すことにつながったことを教えてくれた。
映画『インセプション』は全国で公開中