テリー・ギリアム監督に電話で直撃!ロックバンド、アーケイド・ファイアのコンサート撮影を監督することに!
映画『ブラザーズ・グリム』や『Dr.パルナサスの鏡』のテリー・ギリアム監督が、グラミー賞にノミネート経験のあるカナダのインディー系ロックバンド、アーケイド・ファイアのコンサート撮影を監督することがわかった。今年5回行われる予定のコンサートツアーで撮影監督を務める。このコンサートの模様は、YouTubeなどのインターネット動画共有サイトで配信することが決まっている。今回は、そんな企画に賛同したギリアム監督に電話で話を聞いた。
まず、この企画に参加したことについて「好奇心だけで飛び込んでいった感じだね。いまだ、アーケイド・ファイアをモントリオールから追い掛け始めて1週間で、これからどうやっていこうか考えているところだよ。(だが、シリーズ第1弾はすでに8月5日よりYouTubeで配信されている)」と明確なプランはないもよう。そして、「ただ、幸運なことに素晴らしいスタッフに恵まれていて、今のところ僕は、まるでグルーピーみたいな参加の仕方をしているよ。なんか、監督って感じじゃないね(笑)」とあくまでバンドの演奏をしっかりキャプチャーすることに、今のところは専念しているようだ。
追い掛けることになったバンド、アーケイド・ファイアについては、「彼らはどこかトーキング・ヘッズのデヴィッド・バーンを彷彿(ほうふつ)させるんだ。個性的でメランコリックな詩だが、社会的なメッセージ性もあると思う」と説明した。
この企画への参加が急に決まったことで、温めてきた映画『ドンキホーテを殺した男/The Man Who Killed Don Quixote』(原題)の製作は、どうなったのだろうか? 「今のところ、ロバート・デュヴァルとユアン・マクレガーが参加してくれることは変わらないが、インディー系の映画はあらゆるところから資金をかき集めて制作することが多い。自分がイメージしているものを作り上げるには、もっと制作費が必要なんだよ。ずっとイライラしている状態で、そんなときに今回の企画を依頼されたというわけなんだ」と明かした。とにかく制作費がもう少し集まらないと撮影が難しいようで、当初予定されていた今年の9月からの撮影と来年の公開は、確実に無理であることを教えてくれた。
今回の企画はギリアム監督にとって、ある意味で気分転換する良い機会なのかもしれない。同企画は、アメリカン・エキスプレスとYouTube、ヴィーヴォが提携して行っている。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)