秋篠宮妃殿下紀子さまが御来場!手話でろう者女子サッカー日本代表チームの選手たちと談笑
4年に1度開催される、聴覚障害者のためのスポーツの国際競技大会・デフリンピック。その2009年夏の第21回大会に初出場した、ろう者女子サッカー日本代表チームを追ったドキュメンタリー映画『アイ・コンタクト』のチャリティ試写会が、4日にスペースFS汐留で行われ、秋篠宮妃殿下紀子さまがお成りになり、選手たちと手話で談笑をされた。
鮮やかなブルーの洋服を召されて御入場された紀子様は、一般の観客と交じって御着席。穏やかな笑顔をたたえて映画の開始を見守られた。
上映前に行われた舞台あいさつでは、中村和彦監督とキャプテンの寺井名美が登壇。映画制作にあたって自ら手話を練習し、ろうに関する勉強もしたという監督は、「(ろうに関する)理解を深めて、映画を完成させることができました。これだけたくさんの方に来ていただきありがとうございます」とほぼ満員の観客に向けて本作に対する思いを語り、両手を上げて手のひらを動かす「拍手」を表す手話であたたかく迎えられた。
一方、自らがろう者である寺井も、「(映画では)デフリンピックを描いてもらっているが、わたしたちは日ごろの生活も含めていろんな困難があり、それに立ち向かっていく様子が描かれている。聞こえる方も理解していただきたいと思うし、それが当たり前の社会になってほしい。わたしたちは聞こえる人と聞こえない人の橋渡しになりたいという夢を持っている」と、すべての人が分け隔てなく共存できる世の中への思いを真摯(しんし)に語った。
ところでろう者女子サッカー日本代表チームの選手たちは、高校生から社会人まで実に様々。年頃の女性もたくさんいるが、本作ではデフリンピックのことだけではなく、友情や仕事や結婚観などプライベートな部分も深く描かれている。恥ずかしくなかった? という質問に対し、寺井は「結構プライベートなこともありますが、包み隠さず話しました」と満面の笑み。それを受けて中村監督は「(選手たちの)小さいときのことは、本人よりわたしのほうが詳しいかも。詳しく聞いたので(笑)」と笑いを取りつつ、綿密な取材の元に作られた作品であることを明かした。
最後に中村監督は、「デフリンピックは歴史は長いですが、みんな知らない。今後みなさんに知っていただけたらと思っています。この映画を観て良かったら、どんどん広めていただきたいです」と訴えかけた。また、早くも次の大会に向けて練習を開始しているという寺井も、「聞こえる人と聞こえない人、たくさん違うところがあるが、聞こえる人にも理解して欲しいです」とメッセージを送った。
また上映終了後には、紀子さまが手話で選手たちと会話を行った。その内容は公開されなかったが、選手たちも紀子さまも終始笑顔でリラックスした雰囲気だった。
映画『アイ・コンタクト』は9月18日よりポレポレ東中野にて公開