つるの剛士ら多数のイクメンがかかわった妊娠&出産ドキュメンタリー『うまれる』男性限定試写会
30日、妊娠や出産を扱ったドキュメンタリー映画『うまれる』男子限定試写会が行われ、上映後に豪田トモ監督と集まった男性たちがイクメン談議を繰り広げて大いに盛り上がった。
本作は豪田監督自身が企画を立ち上げ、開設したウェブサイトから募集した4組の家族の妊娠・出産を取材し、家族の形や命の価値について描き出すドキュメンタリー。その監督をはじめスタッフの多くが男性、ナレーションも芸能界屈指のイクメンとして知られるつるの剛士が担当。出産や育児を女性中心のものとしてとらえず、父親になる男性の悩みや成長、子どもの障害に直面した夫の苦悩など、男性の視点もふんだんに生かした、イクメンドキュメンタリー映画とも呼べる作品に仕上がっている。
上映後、登場した豪田監督は「今、子どもがいる人は?」「(パートナーに)不妊治療の経験がある人は?」「流産や死産の経験がある人は?」など、観終わったばかりの観客に積極的に話しかけてトークを繰り広げた。最初は恥ずかしそうにしていた男性陣も徐々にそれぞれの出産や育児の経験を話し出し、やがて誰かが「来月第2子が生まれる予定」などと発言すると自然に拍手が沸き起こる盛り上がりぶりを見せた。これから父親になる予定のある若い男性は「父親になる心の準備ができていなかったが、この映画を観てこれからがんばろうと思いました」と満足そうに語っていた。
豪田監督は「もともと妊娠・出産に興味があったわけではなく、自分自身両親との関係がうまくいかなくて、命の原点に向き合うことで親との関係を築き直そうとしたところからこの映画が始まりました」と製作の動機を明かした。そして「この映画を作って、両親に感謝の気持ちが生まれて、今ではうまくいっています。僕のパートナーも来月出産予定なのですが、以前は父親になるのが不安だったけど、撮影中にいろんな父親の方と接してすごく勉強になって、今はすごくワクワクした気分です」と語り、この映画を製作したことで、豪田監督自身も、ひとりの男性としてとても成長したことがひしひしと伝わるものとなっていた。
『うまれる』は4組の家族を中心に繰り広げる命のドラマに密着したドキュメンタリー。新米夫婦の妊娠から出産までの奮闘、障害のあるわが子の成長を見守る夫婦など、さまざまに命と向き合う人々を通して、自身が生まれてきた意味や家族のあり方、人とのつながり、そして生きることについて観る側に問いかける。
映画『うまれる』は11月6日よりシネスイッチ銀座ほかにて全国公開