アル中の父親に「おれを終わらせてくれ」と殺人依頼までされた自伝的作品!ピーター・マラン衝撃の激白
現地時間10月21日夜、第54回ロンドン映画祭で映画監督、脚本家、俳優のそれぞれで数々の賞を獲得してきたピーター・マランのトーク・ショーが開催された。先月のサン・セバスチャン国際映画祭で最高賞に輝いたマラン監督・脚本・出演の『ネッズ / Neds』(原題)も前日に同じロンドン映画祭でお披露目されている。
本作はマランの自伝的要素が強い。アルコール中毒の父親と不良の兄のために、成績優秀ながら学校でまともに扱われず、次第に兄の不良グループの仲間入りしてしまう少年を主人公にした物語だ。マランは自分の父親をモデルにした主人公の父親を演じている。酔うと暴君のように家族に怒鳴り散らし、ついには息子に「おれを終わらせてくれ」と殺人依頼ともとれる申し出をする父親だ。
「ほんのちょっとしたことで、子どものその後の人生はあっという間に変わってしまう」というマランだが、本作での役については「演技はゲームだよ。カット! の掛け声で終わることだから」「以前、バットで高級車をボコボコにするシーンをやったことがあってね。そこにいた警官がグーなんて親指を立てたりして見てるんだ。そんな仕事、ほかにはないよ」と笑う。
監督しながら出演もすることについては「監督として心配しなくてはならない俳優が1人少なくなるという利点があるね」というマランは、イギリスで来春公開予定の、同じく俳優でもあるパディ・コンシダインの初長編監督映画『ティラノソー / Tyrannosaur』(原題)に続き、スティーヴン・スピルバーグの新作『ウォー・ホース/War Horse』(原題)への出演と、しばらくは俳優業で忙しくなるようだ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)