“世界の河瀬”を圧倒!やんちゃな6歳の長男、ステージを駆け回る!
6日、渋谷ユーロスペースで映画『玄牝 -げんぴん-』が初日を迎え、一児の母でもある河瀬直美監督が登壇。そして監督の長男である光き(読み方は、みつき。きは漢字。示偏に斤と書く)くんも劇場に応援に駆けつけるなど、会場は温かい雰囲気に包まれた。
「医療に頼らずに、自然に子どもを生みたい」と願う妊婦たちが全国から集まる愛知県岡崎市の吉村医院に密着した本作。季節ごとの表情の中で命の営みを見つめた本作は、スペインで開催された第58回サンセバスチャン国際映画祭コンペティション部門で国際批評家連盟賞を受賞した話題作だ。壇上に立った河瀬監督も、「ようやく今日、オギャーと生まれたばかりなので、育まれていってくれたらいいなと思いました」とうれしそうにあいさつしていた。
しかし、この日の舞台で“世界の河瀬”を圧倒していたのは、監督の長男の光きくん。6歳のやんちゃ盛りということで、劇場スタッフも「スクリーンにだけは触らないでね」と戦々恐々!? 壇上に立った光きくんはステージを駆け回ったり、お母さんに抱きついたり、壇上から客席に移動したりと、とにかく落ち着かない。そんなやんちゃな光きくんの姿に会場は温かい笑いに包まれていた。しかし、光きくんが客席に座った際に、彼の横にひとりの少女が座ると「うわっ!」と驚いた声が会場内に響き渡った。監督によると、スペインの映画祭の帰りに、監督の特集上映が開催されたフランスに立ち寄ったときに仲良くなった少女だとのこと。6歳とはいえ、そこはやはり男の子。突然の女の子の登場に、すっかり大人しくなってしまっていた。監督が「彼女やんな」とちゃかすと、年ごろの男の子らしく「彼女? えー!?」と照れくさそうにしていた。
本作は、映画『萌の朱雀』の河瀬直美監督が、今まで連綿と続いてきたお産という普遍的な題材に取り組んだドキュメンタリー。現代医学の技術を取り入れつつも、昔ながらの自然なお産を後押しする愛知県にある産院の四季をカメラがとらえる。今回は渋谷ユーロスペースをはじめ、全国5か所の映画館で「あんしんシネマ」を実施。小さな子どもでも鑑賞できるように、非常灯や足元灯を照らしたり、臨時のベビーカー置き場やおむつ換えスペースなども設置される予定となっている。
映画『玄牝 -げんぴん-』は渋谷ユーロスペースほかにて公開中