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アメリカ軍の情報隠ぺいを追及!戦場のヒーローは実は味方に殺された『ザ・ティルマン・ストーリー』

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映画『The Tillman Story/ザ・ティルマン・ストーリー』(原題)のアミア・バー=レヴ監督
映画『The Tillman Story/ザ・ティルマン・ストーリー』(原題)のアミア・バー=レヴ監督 - Photo:Yukari Yamaguchi

 第54回ロンドン映画祭でインターナショナル・プレミアが開催されたドキュメンタリー映画『The Tillman Story/ザ・ティルマン・ストーリー』(原題)のアミア・バー=レヴ監督に話を聞いた。本作は戦場のヒーローの影に隠されたアメリカ軍の情報隠ぺいを追及するものだ。

 アメリカン・フットボール選手として高い年俸を得ていたパット・ティルマンはそれを捨てて従軍する。そしてアフガニスタンで戦死、一躍国民的ヒーローにまつりあげられる。だが家族には戦死の際の詳しい状況がなかなか伝えられない。実は前線の混乱した状況の中、同じアメリカ部隊によって攻撃を受けての戦死だったことが明らかになっていく。

 本作で事実が明かされていく過程はスリリングでもあるが、必死に情報を求める遺族は痛ましい。映画化について遺族とコンタクトをとったというバー=レヴ監督は「ほかにもたくさんの映画化の話があったんだよ。許可も得ずにひどい脚本まで作っているのもあったようだ」という中で遺族に託された形だ。「ほんとうのパットじゃなく、にせのパットをみんなが求めているような感じだったんだ」という監督は「事実がどうであろうと、家族が何と言おうとおかまいなしで、ヒーローものとして片付けるというふうさ。悲劇だよ」と状況をみる。「スーパーヒーローじゃないほんとうのパットも尊敬するに足る男なのに。マンガのキャラクターみたいなものじゃなく人としてね」と遺族に近い気持ちを抱いていたようだ。

 アメリカ政府、軍の反応については「彼らがどういう動きをとるかはわからない。でも映画を観ようとする人までとめることはしないんじゃないかな」とバー=レヴ監督は言う。本作にはナレーターとしてジョシュ・ブローリンも参加している。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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